2020/10/21
A、1.自社の正社員と非正規雇用社員との間で「職務の内容」「配置の変更の範囲」に違いがあるかどうかを確認すること 2.自社の基本給や各種手当、賞与、その他の待遇にどのような違いがあるかを洗い出すこと この2点から初めていきましょう。
正社員と非正規雇用社員との間での不合理な待遇差の解消のために、短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(以下「パートタイム・有期雇用労働法」といいます)が制定されました。同一労働同一賃金はこの法律の中に定められているもので大企業は2020年4月から、中小企業につきましても2021年4月から施行されます。
また、2020年10月に同一労働同一賃金の最高裁の判決が立て続けに5つ出たことにより、世間ではこの同一労働同一賃金に対する注目がまた上がってきております。
しかしながら、企業としてこの同一労働同一賃金に取り組むにあたって、最初に何から始めたらいいのかについて、悩まれている企業も多いと思います。ここでは企業がこの同一労働同一賃金に取り組む際に、まず初めに押さえておきたい2つのポイントについてご説明致します。
まずは正社員と非正規雇用社員(契約社員、アルバイトなど)との間について「職務の内容」「配置の変更の範囲」について違いがあるかどうかを確認します。
これはパートタイム・有期雇用労働法第9条が根拠となっています。
第9条 事業主は、職務の内容が通常の労働者と同一の短時間・有期雇用労働者であって、当該事業所における慣行その他の事情からみて、当該事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において、その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されることが見込まれるものについては、短時間・有期雇用労働者であることを理由として、基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、差別的取扱いをしてはならない
第9条は自社で雇用する正社員と非正規雇用社員が入社から退職に至るまでの間に以下の2点が同じであるならば、給与や賞与、その他の待遇を全く同じにする必要があることを定めています。このことを均等待遇といいます。
企業はまず、この均等待遇を行わないといけない企業に該当するかどうかを確認する必要があります。
均等待遇に該当しない企業の場合、次は正社員と非正規雇用社員との間で基本給や各種手当、賞与など一つ一つの給与の手当や待遇などについて違いがあるかを確認していきます。
これはパートタイム・有期雇用労働法第8条が根拠となっています。
第8条 事業主は、その雇用する短時間・有期雇用労働者の基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する通常の労働者の待遇との間において、当該短時間・有期雇用労働者及び通常の労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならない
第8条は、自社の正社員と非正規雇用社員について、基本給や各種手当、賞与などの待遇に違いがあった場合、その違いが不合理と認められるものであってはいけないことを定めています。このことを均衡待遇といいます。
均衡待遇を確認するためには、まずは自社の基本給や各種手当などそれぞれについて、正社員と非正規雇用社員との間でどのような違いがあるかどうかを洗い出す必要があります。
そして、その洗い出しを終えた後、その待遇(基本給や各種手当など)の意味や待遇を行う目的を確認し、正社員と非正規雇用社員との間で違いがあってもいいかどうかを検討します。
その検討の際には、正社員と非正規雇用社員の間で、以下3点の違いについて確認します。
例えば「通勤手当」で違いがある場合、
上記3点について、通勤手当を支払う性質や目的を確認した上で、差をつけたままでいいのか、差を改善するのかを決めていく必要があります。
この均衡待遇を確認するためには、自社の正社員と非正規雇用社員との間での待遇の違いがあるかどうかを知るところから始まります。よってまずは自社の基本給や各種手当などそれぞれについての待遇の違いの洗い出しから初めていきましょう。
社会保険労務士法人ガルベラ・パートナーズでは、この同一労働同一賃金も含め労務管理のご相談に実務上の観点からお答えしております。どうぞお気軽にご相談ください。
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