2024/06/04
A、算定基礎届について、通常は3カ月間(4月、5月、6月)の賃金の平均で決定されますが、賞与に係る諸規定を新設し賞与が年4回以上支給する場合、算定基礎届提出の際に、その金額を算出し加算する必要があります。
算定基礎届とは、健康保険・介護保険料・厚生年金保険の標準報酬月額と実際の給与に大きな差が発生しないように、7月1日時点で就労している全被保険者の3カ月間(4月、5月、6月)の賃金を算定基礎届により届出することにより、毎年1回標準報酬月額を決定し直す制度です。算定基礎届届出により決定された標準報酬月額は、9月からの原則1年間各月に適用され、保険料の計算の基となります。
賞与についても健康保険・厚生年金保険の毎月の保険料と同率の保険料を納付することになっています。賞与を支給した場合には、支給日より5日以内に「被保険者賞与支払届」を届出します。なお、「被保険者賞与支払届」の対象となる賞与は、年3回以下の支給のものとなり、年4回以上支給される同一の性質を有すると認められる報酬(「賞与に係る報酬」)は標準報酬月額の対象とされます。
規定で年4回の賞与を支給としたものの、算定前までに4回分の実績が出揃わない場合は具体的にどのようにしたらよいでしょうか。様々な資料を確認しましたが、明確な事例がなかったことから、とある年金事務所に電話を入れ確認を行いました。
以下、具体的な例でご説明します。
例)今年度より1月、4月、7月、10月の年4回賞与を支給するとします
1月~7月分は通常の「賞与」として扱い、「被保険者賞与支払届 」を提出する必要があります。
賞与に係る諸規定を新設した場合には、年間を通じ4回以上の支給につき客観的に定められているときであっても、次期標準報酬月額の定時決定(7月、8月又は9月の随時改定を含む。)による標準報酬月額が適用されるまでの間は「賞与に係る報酬」に該当せず、「賞与」として取り扱うものであること(「「健康保険法及び厚生年金保険法における賞与に係る報酬の取扱いについて」の一部改正について」に関するQ&A Q4参照)を明確化したものである。
では、上記の例の場合、今年の7月の算定はどのように金額を算出すればよろしいでしょうか。
① まず、4月、5月、6月賃金を確定します。
② 次に1月、4月、7月の賞与実績に10月の賞与見込みを算出し(「支給実績から、諸規定による諸手当等の支給回数等の支給条件であったとすれば、7月1日より以前1年間に受けたであろう賞与の額を算定し」)、合計額を12で除します。
③ 上記で求めた金額を4月~6月に加算する
※ 7~9月の随時改定対象に該当する場合は、12で除して算出した金額を対象月にそれぞれ加算します。
④ 10月以降の賞与については「賞与に係る報酬額」となるため、「被保険者賞与支払届」の提出は不要となります。
⑤ 次年度の算定については、10月~7月の実績を根拠とし算出を行います。
社会保険労務士法人ガルベラ・パートナーズでは、社会保険の算定基礎届提出に関するご相談やお手続きも承っております。どうぞお気軽にご相談ください。
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