2020/12/23
A、労働者派遣法に関する2021年改正は、1月から施行の内容と4月から施行の内容とで2段階で行われます。
内容は、①雇入れ時の説明義務、②労働者派遣契約書の電磁的記録、③派遣先における派遣労働者からの苦情の処理、④日雇派遣労働者への休業手当の支払、⑤雇用安定措置に関する派遣労働者の意見徴収、⑥マージン率等の開示方法、に関する内容となります。
①から④については1月施行にて、⑤及び⑥については4月施行にて適用されます。
労働者派遣については、労働法で原則的に禁止されている中間搾取の例外として取り扱われており、労働者派遣法により様々な点において、派遣労働者の保護が図られています。これまで、労働力の需給調整という重要な役割を担ってきましたが、一方で長期的なキャリア形成の観点や、一般的に正社員と比較して賃金が低額となるといった課題も多く見られました。
そのため、労働者派遣法は相次ぐ改正により、実効性のある労働者保護の実現に対応しており、2021年についても以下のとおり改正が行われます。
2020年4月改正で追加された内容を含め、従前の説明事項に加え、労働契約の締結までに、実施するキャリアアップに資する教育訓練計画に関する内容、キャリアコンサルティングに関する内容を説明する必要があります。
書面によらず、パソコン等により行う、電子データでの記録及び確認が可能となります。
なお、派遣先管理台帳、派遣元管理台帳は従前より電磁的記録が認められていました。
従前より、運用上は苦情の内容によって派遣先も使用者と同様に対応が必要な場合もありましたが、派遣先が講ずべき措置に関する指針により、誠実かつ主体的に対応すべき旨が明文化されました。
労働者の責に帰すべき理由以外で、労働者派遣契約期間の途中に解除が行われる場合、日雇い派遣労働者に対しても、休業手当の支払いが必要となります。
従前より、運用上は休業等出勤日の取扱いによっては対応が必要な場合もありましたが、派遣先が講ずべき措置に関する指針により、明文化されました。
特定有期雇用派遣労働者に対する以下の雇用安定措置の実施にあたり、当該派遣労働者が希望する内容を聴取することが求められます。
以下に定める情報提供の項目について、インターネットの利用が原則となります。
従前は事業所に備え付ける書面等による方法も、部分的に原則的方法として取り扱われてました。
以上が、労働者派遣法に関する、2021年改正のポイントとなります。
改めて、派遣元、派遣先の立場において対応事項を確認いただければと思います。
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