2017/07/05
A、労働者派遣の新しい制度で許可を受けるためには、条件を整えていく必要があります。その条件のなかでも、会社資産の条件は厳しく、直近の決算を基に判断される為、今から準備を始めないと間に合わない可能性があります。新しい制度に切り替えるのか、それとも労働者派遣事業は廃止するのかを決めていただく時期に入っているとお考えください。
平成27年9月30日に労働者派遣法に大きな改正がありました。ご質問の派遣事業の区分の一本化を含めて、大きく5つの改正点があります。
届出だけで事業開始ができた、常用労働者のみを派遣する特定労働者派遣事業と許可制の、登録者などを派遣する一般労働者派遣事業の区別が廃止されて、全ての労働者派遣事業は、新たな許可基準に基づく許可制となりました。
平成27年9月30日時点で、特定労働者派遣事業を営んでいる事業者は、平成30年9月29日まで、許可を得ることなく引き続き派遣事業を行うことができます。
こちらのブログもご参考下さい。
「労務管理|労働者派遣法改正で特定労働者派遣事業はどうなりますか?」
これまでの、特定の業務への労働者派遣には期間制限を設けない仕組みが見なおされ、全ての業務に、共通の2つの期間制限が適用されました。
派遣元事業者は、派遣労働者のキャリアアップを図るために、段階的かつ体系的な教育訓練と希望者に対するキャリア・コンサルティングを実施することが義務付けられました。
派遣労働者と、派遣先で同種の業務に従事する労働者の待遇の均衡を図るため、派遣元事業者と派遣先に責務が課されました。
派遣先が違法派遣を受け入れた場合、その時点で、派遣先がその派遣労働者に対して、派遣元での労働条件と同じ労働条件の、労働契約の申し込みをしたものとみなされます。
こちらのブログもご参考下さい。
「労務管理|改正労働派遣法~労働契約申込みみなし制度とは?」
特定労働者派遣事業から、新制度の労働者派遣事業への切替えは、特別な簡易手続きがあるわけではなく、改めて労働者派遣事業の許可申請をしなければなりません。
許可には条件があり、法改正前の許可基準と比べて、事業者が事業体制として整えなければならないものが増え、また厳しくなっています。今回はこの基準の中でも、特に予めの準備が必要な資産要件について説明します。
許可申請時の直近の決算期における貸借対照表などにより、要件を満たしていることが必要です。決算期末時の資産がターゲットになるため、その時点で基準に該当していなければなりません。
このため、もし経過措置の期限である、平成30年9月29日に許可申請をする場合には、平成29年9月30日から平成30年8月31日の間の事業年度に応じた決算期が対象となりますので、貴社での時期をご確認下さい。
具体的な資産要件は次のとおりです
この要件に対して、事業者が中小事業主であることと、常時雇用している派遣労働者の人数によって緩和措置が設けられています。
なお、直近の事業年度の決算において要件を満たせなかった場合、事業年度途中に中間決算を行なって、公認会計士による監査証明を付けることで直近の決算に代えることができます。
現在の労働者派遣事業に切替えるにあたって、メリットとデメリットについても見ていきましょう。
最大のメリットは、当然ではありますが労働者派遣業を継続できることです。労働者派遣業を継続できるということは次のことにつながります。
法改正時の労働者派遣事業者のうち、約7割が特定労働者派遣事業者でした。
このうち、許可制に移行できない事業者が、労働者派遣事業から撤退することになると、新規契約を獲得できる可能性は高くなると考えられます。
許可基準が厳しくなっていることから、次のような負担やリスクがデメリットとしてあげられます。
運営費用の増加には、許可要件の一つである事業所面積20㎡を満たすための事業所の移転、賃料、また、キャリアアップ措置や管理体制に係る費用などが想定されます。
これらの内容と、貴社の今後の事業展開のなかでの労働者派遣事業の重要性を照らして、検討を進めていかれてはいかがでしょうか
弊社では、特定労働者派遣事業から現行法の労働者派遣制度への切替え、新たな労働者派遣事業の設立の申請についてはもちろんのこと、労働者派遣事業の運営をトータルでサポートさせていただきます。
どうぞお気軽にご相談ください。
運営費用の増加には、許可要件の一つである事業所面積20㎡を満たすための事業所の移転、賃料、また、キャリアアップ措置や管理体制に係る費用などが想定されます。
これらの内容と、貴社の今後の事業展開のなかでの労働者派遣事業の重要性を照らして、検討を進めていかれてはいかがでしょうか。
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