GERBERA PARTNERSブログ

労働者派遣|労働者派遣業を始めました!今後必要な届出は?

2017/10/04

Q、この度あらたな事業展開として労働者派遣事業を始めました。許可制ということもあり、法律通りの規制に沿った運用が必要だと認識はしているのですが、かなり色々な届出や報告が求められています。これらを整理して教えてください。

 

A、労働者派遣事業では、毎年の事業報告はもちろんのこと、許可があった時から何らかの変更があるたびに「変更届」の提出が求められます。また提出には期限が有りますので、遅れてしまった場合には是正指導の対象となります。提出書類が必要な事柄とその期限を管理することは派遣事業には欠かせません。

   

解説(公開日:2017/10/04 最終更新日:2017/11/24)

労働者派遣は、派遣元事業者との間に雇用関係のある者を、他人の指揮命令を受けて働かせる、という特殊な雇用形態で、他人である派遣先事業者とは雇用関係を持たない、雇用されることが予め約束されていないことが条件になります。一歩間違えると、職業安定法で禁止されている労働者供給になってしまうため、ハードルの高い許可制にして、法律に沿った運用ができる事業者を限定しています。

 

このため、許可後あっても、法律に沿った運用ができていない場合は、罰金、事業停止命令、改善命令の対象となり、許可を取り消されることもあるので管理体制を整える必要があります。今回は運用の中でも、届出と報告について整理していきます。

 

報告

派遣労働者の就業の実態と事業運営の状況について報告するために、次の書面による報告が求められます。

 
1.事業報告書

事業報告書は次の2つの報告を合わせて6月に行います。

 

① 毎事業年度の報告

派遣元事業者の事業年度の事業報告です。具体的な報告の内容は、派遣労働者の数、派遣先の数、労働者派遣に関する料金・賃金の額、労働者派遣事業の売上高、キャリアアップ教育訓練の実施状況に関するものです。

 

② 6月1日現在の報告

毎年6月1日現在の業務別の派遣労働者の数などの状況報告です。

事業報告は、事業所ごとになりますので、いくつかの事業所を持っている派遣元事業者は、それぞれの事業所の状況を集計して報告書を作成することになります。

 
2.収支決算書

派遣元事業者の、事業年度毎の資産状況と労働者派遣事業の売り上げなどの状況を報告するもので、毎事業年度経過後3カ月以内に行います。

 

【ここに注意!】提出期限

事業報告書は、事業年度が終了した月の後にやってくる直近の6月30日に、6月1日現在の報告書と合わせて提出します。全ての派遣元事業者に共通した期限なので漏れることは少ないのですが、収支決算書の提出には注意が必要です。

事業年度が2月または3月に終了する場合は、事業報告書と収支決算書を提出するタイミングが同時になり、報告漏れになりにくいのですが、その他の時期に決算を迎える派遣元事業者は、期限の管理が特に必要です。

 

届出

許可を受けたときの内容に次のような変更などがあった場合には届出が必要です。

 
1.変更届

次の変更があった場合には、労働者派遣事業変更届出書の提出が必要です。

 
  1. ① 事業者の氏名または名称・住所
  2. ② 代表者及び役員の氏名・住所
  3. ③ 労働者派遣事業を行う事業所の名称・所在地
  4. ④ 労働者派遣事業を行う事業所における特定製造業務への労働者派遣の開始・終了
  5. ⑤ 労働者派遣事業を行う事業所の派遣元責任者の氏名・住所
  6. ⑥ 労働者派遣事業を行う事業所の新設・廃止

届出の期限は、変更のあった日の翌日から10日以内です。ただし、会社の登記事項に関わる変更については、証明書の添付が間に合わない事から30日以内となります。

 
2.廃止届

労働者派遣事業を廃止する場合には、労働者派遣事業廃止届出書の提出が必要です。

届出の期限は、廃止した日の翌日から10日以内です。

 

【ここに注意!】事業所の廃止

複数の事業所で派遣事業を行なっている場合に、派遣事業は継続するものの、支店では派遣事業を廃止するときに届出るのは廃止届出書ではなく、変更届出書です。廃止届出書は、派遣事業を完全に廃止する場合に提出します。

 

更新

労働者派遣事業の許可には有効期間があり、継続するためには更新手続きが必要です。

初めて許可を受けた場合の有効期間は、許可の日から起算して3年間、2回目以降は5年間です。

 

【ここに注意!】提出期限

更新に関する書類の提出は、許可の有効期間が満了する3カ月前までに管轄の労働局に提出することになっています。更新申請はほぼ許可申請と同じような内容で、不備などがないかを確認する期間として余裕をもった提出が求められます。なお、申請日の超過は認められません。

 

このように、労働者派遣事業には報告、届出、更新といった定型書類の提出が義務付けられています。それぞれの項目でもあげている注意事項ですが、共通して最も注意しなければならないのが提出期限です。提出先である労働局では、提出期限を厳しく指導する傾向が強くなっており、書面での指導書が出されることもあります。提出期限の遅れが重なると運営の管理ができない事業者として、より厳しい罰金、事業停止命令、改善命令の対象となり、許可を取り消されることもあります。

 

とくに、役員や管理責任者の変更、またそれぞれの住所変更といったところは、届出漏れが起こりやすいので、変更前からの届出準備ができるような管理体制が必要です。

 

弊社では、許可申請を始め、労働者派遣事業の運営のコンサルティングを行っております。ご質問などございましたらお気軽にお問い合わせください。

 

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