2015/06/24
Q このたび、夫の海外勤務に帯同して、家族ごと日本を離れることになりました。海外駐在員は住民税を支払わなくてもよいと聞いたのですが、やはり住民票は抜かなければなりませんか?
A 海外勤務や海外出向により日本を離れることになった者は、原則としてお住まいの市区町村に住民票の転出届を提出しなければなりません。
この住民票の転出をしなければ住民税が課されるのではと、よくお問い合わせを受けるのですが、これに限っていうと、必ずしも転出している必要はありません。
住民税は、その年の1月1日にその者が住所を有している都道府県において、その前年の所得に対して課税されます。前年すでに発生している税金を今年になってから納税していると思っておられる方もいらっしゃるようですが、あくまでも前年の所得に対して、今年の6月から翌年5月まで課税されるということになります。
つまり、企業が従業員の年末調整を行い、その結果、給与支払報告書を1月31日までに市区町村に提出しますが、その報告書を提出することにより、住民税が課税されることになりますので、住民票の転出届とは無縁ということになります。
そうであれば住民票はそのままにして海外に出国してもいいのではと思われがちですが、実は住民基本法には違反しておりますので、あくまでも海外に出国するときは転出届を提出されることをお勧めします。
また、海外に赴任しても、当分の間は住民税が課されることになり、給料から天引きされている方も多いかと思います。この天引きについては、企業の制度によって様々な方法が採用されております。
多くの会社では手取額保障方式を採用しており、住民税の納税義務が発生する間は、会社が住民税相当額を支給し続け、その同額を預かって納税するという方法が採られています。あるいは、帰国後において、住民税が当分発生しないことを理由に、住民税の納税義務が発生している間は会社が立て替えて納付し、帰国後に分割で返還してもらうことで整合性を採ろうとする企業もあります。前者が圧倒的に多いのは確かですが、海外赴任しない従業員との間で公平を期するためには、後者を採用するのがいいのかも知れません。
弊社では、海外勤務規程(海外赴任規程、海外出向規程、海外駐在員規程)の作成をサポートしています。海外勤務規程の作成にあたって、さまざまなご相談をお受けしていますので、ガルベラ・パートナーズ東京事務所(03-5405-2815)までご一報ください。
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