2017/12/22
A、2014年8月にシンガポール政府が、シンガポール人(永住権所持者含む)雇用促進政策として、FCF(Fair Consideration Framework)が導入されました。FCFとは、シンガポール人へ公平な雇用の機会を与えるために、企業が外国人のみを採用対象者とした求人を制限したもので、就労ビザEP(Employment Pass)申請が必要となる外国人を受け入れる(雇用、駐在赴任)前に、求人広告(政府が運営する無料求人サイト『Jobs Bank』)掲載の義務と、MOM(人材開発省)による採用活動の介入が内容としております。
Fair Consideration Framework (※英文サイトへ飛びます)
求人広告掲載義務については、EP申請が必要となる場合にシンガポール政府のWorkforce Singaporeが運営する無料求人情報サイト(Jobs Bank)に求人広告を最低14日間掲載しなければなりません。Jobs Bankとは、シンガポール人とシンガポール永住権所持者向けに雇用促進のための求人情報サイトです。外国人を新規採用する前に、シンガポール人・シンガポール永住権者を企業が採用検討することを促している。
14日間の求人掲載期間を経て、求人の条件に合うシンガポール人がいないことで、Jobs BankのID番号をEP申請書に記載することで、EP申請を行うことができます。
ただし、下記の内容に該当する場合はJobs Bankへの求人掲載を免除できます。
日本からの社員を赴任させる際、EP申請が必要となるので、Jobs Bankへの求人掲載の免除要件であれば大きな影響はないのですが、求人掲載の免除要件でなければ、一旦求人情報としてJobs Bankへ14日間掲載期間を経て、EP申請手続きが可能になります。
MOMがJobs Bankの利用情報から、企業に対してシンガポール人(永住権所持者含む)ではなく、外国人を雇用した理由を具体的に求める可能性があります。Jobs Bankを通じて企業の外国人従業員の採用状況を把握し、採用活動に直接介入し、シンガポール人の公平な雇用がなされていない企業を、MOMがWatch-List(警戒リスト)として企業をリスト化することになりました。下記三つのすべての要素がWeak(弱い)と評価された企業がリスト化されます。
この3点すべてが弱いと評価された企業は、人材採用や育成計画、並びにEPの発給数が監視されることになります。一度リスト化されるとEPの審査期間が3ヵ月以上になり、更新の場合に有効期間が1年のみになることがあるので注意しなければなりません。リストから削除されるためには、シンガポール人の雇用に関する監督機関である「Tripartite Alliance for Fair & Progressive Employment Practices:TAFEP」に対して業務の改善案を示す必要があること、さらに改善案の審査期間が6ヵ月以上になることがあります。
以上のことから、日本から社員を赴任させる職務内容・職位(専門職・管理職)、現地法人従業員数、給与条件からEP申請手続きに際し、Jobs Bankへの求人登録が必要か免除要件になるかを確認し、赴任者のEPの承認に支障がないように、現地法人において公平な採用活動を募集の際に行っているか、シンガポール人の雇用者数があまりにも少なくないか、など注意しなければなりません。
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