GERBERA PARTNERSブログ

経営|なぜ合同会社が増えているのか??

2022/09/07

Q、合同会社が増えている理由を教えてください。 

A、以下の通りです。

 

解説(公開日:  最終更新日:

 

合同会社は、株式会社と同じく営利を目的とする組織であり、会社法に則り運営する同じ条件のもと、合同会社が増えている理由は大きく分けて2つあります。

 

理由1.株式会社より設立のコストが安く、手続きが早い

 

下記の表の通り、公証人による定款の認証が不要であるため、その分の設立手続きと費用が抑えられます。また、株式会社と同様に資本金額は自由に決めることができますが、それに伴う設立時の登録免許税は、株式会社よりも最低費用が低いこともコストが安い要因の一つで、最大15万円安く設立ができます。

 

合同会社、株式会社、一般社団法人の比較

項目
合同会社
株式会社
一般社団法人
設立
手続
最低
員数
1名
2名
ご準備いただくもの
会社実印
出資金の入金
印鑑証明書等
会社実印
印鑑証明書等
設立
費用
定款
認証
不要
必要(5万円程度)
定款の印紙税
4万円(専門家に依頼すると電子定款により無料)
なし
登録
免許税
資本金額×7/1000
(最低6万円)
資本金額×7/1000
(最低15万円)
6万円
運営
コスト
重任
登記
不要
必要
任期
なし
2年から10年(取締役)
2年
社員
登記
必要(業務執行社員、代表社員)
不要
決算公告の業務
なし
あり
 

理由2.所有と経営の分離がないため、意思決定が早い

株式会社は、会社を所有する株主と会社を経営する役員が存在し、双方の意見を合致させる必要があります。株主に社外の人がいた場合に、社内で大きな経営方針や経営判断を迫られたときに、社外の人も交えた株主総会で意思決定を確認する必要があるため、対応が遅くなる可能性があります。

一方で、合同会社は株主が存在しないため株主総会の概念がありません。その代わりに、社員で決議を行う社員総会を開く必要がありますが、会社を所有する人と経営する人が同一であるため、意思決定が早いということになります。数年前に大手外資系企業の日本法人が株式会社から合同会社に組織変更をしたことが話題になりましたが、その理由の一つに意思決定の早さが挙げられています。

 

合同会社は出資した社員に議決権が与えられますが、この議決権は出資割合に関係なく定款で定めることができます。株式会社は出資割合(株式数)と比例して議決権数が与えられるので、この点が合同会社と株式会社の違う点になります。

 
項目
合同会社
株式会社
一般社団法人
共通点
事業
目的
制限なし
出資者の責任
有限責任
相違点
根拠法令
目的
会社法
営利(配当する)
一般社団法人法
非営利(配当しない)
組織
小規模
小規模~大規模
所有と経営の分離
なし
あり
組織
変更
可能(合同会社⇔株式会社)
不可能
特徴
知名度、信用度が低い
信用度が高い
公益社団法人になることが可能
配当
利益
配当
可能(持分割合に従う必要なし)
可能(株式数に従う必要)
不可能→役員報酬
資本金
制度
あり(1円以上)
なし(但し基金制度)
社員
社員の入社
出資必要
出資不要
重要事項の決定機関
社員総会
※重要事項の決定は全員一致
株主総会
社員総会
 

合同会社が増えてきていることは確かですが、未だ社会の中での信頼性が低いことや株式を発行する会社でないため上場するという概念がないことなど、考える要点は多いです。それでも、選択肢のうちの一つとして持っていることが重要だと思いますので、どの形態で設立するのが一番良いのかお悩みの時は、ぜひガルベラ・パートナーズにご相談ください。

 
 

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