GERBERA PARTNERSブログ

経営|最近の出世意欲低下傾向と対策例の紹介

2024/06/25

Q、最近、優秀な社員でも出世を望まない人が増えています。そのようなケースに対して何か良い方法はないでしょうか。

A、まず、自組織の課題把握が必要です。社員は何を求めており、何を思っているかなどの把握を確実にしなければ有効な手段を検討することができません。それを可能にするものとして、サーヴェイを通じた調査も手段の一つではないでしょうか。
また、課題意識を持つには組織の方向性が明らかであることを前提にしています。
組織が求める方向性と人物像を明らかにしながら、社員との定期的なコミュニケーション機会が必要でしょう。社員が求める内容等を確認しながら傾向を掴み、適切な対応を取ることが有意義だといえます。そのために、例えば、人事評価制度の構築や1on1ミーティングの機会が有効ではないでしょうか。

 

解説(公開日:2024/06/25  最終更新日:2024/07/20 )

 

昔は、どこの企業も出世を狙って社員同士が競争していました。

そのことは、結果として組織にとって健全な競争にも繋がり、企業の収益力・競争力になります。出世するにつれて、その求められる内容も変わっていき、部分最適な行動をとるような社員も徐々に淘汰されることもあって、会社にとってどうあるべきかなどの全体最適な判断や行動にも影響するものでした。

 

しかしながら、最近では、出世を拒み、幹部として管理職などの昇格をされるようなものならば転職されるケースもあります。一体なぜでしょうか。

 

よく言われる理由の一つに「責任が重い」というものがあるようで、男女とも傾向は似ています。

細かい理由を挙げると、仕事が増えるなかで残業代が出なかったり、人間関係への不安、といったもので、結論を言えば、割に合わないということが原因です。

 

出世すれば、本来、負担は増えますが、年収ややりがい等が増えます。

最近は、そのような仕組みに期待されず、負担内容の割には年収も増えない、加えて、やりがいも減るというもので、そのような体制であれば今のままがいい、という考え方があるようです。

 

もちろん、条件次第では引き受けられるでしょうが、昇進を打診しても断る人が増加傾向にあります。

公益財団法人日本生産性本部による「新入社員 働くことの意識調査結果」では、新入社員の多くが「役職に就きたくない」と回答しています。

なお、若者では会社に拘束されたくないという考えが多いようで、例えば、専門技術を磨きたい、組織に縛られず人脈を拡げたいといった希望内容の傾向が見られます。

 

出世すれば、当然ながら組織の意向に従うことはさまざまな場面で多く求められ、成長機会・経験値を積むというよりもキャリア形成に不利と捉えているのかもしれません。

そのような傾向に向けた対応策を講じることで、有効な組織体制を構築することができるのではないでしょうか。

 

上記内容よりポイントは、年収ややりがいです。

特に管理職になれば、その役割に応じた対応が求められます。

 

組織体制の構築

例えば、以下のような視点が必要という認識で組織体制を構築してみたらいかがでしょうか。

  1. 管理職による役割認識の有無
  2. 部下育成等の要否
  3. VUCAのなかでの目標達成体制
 

VUCAとは、以下内容の頭文字から作られた造語です。

  1. ・Volatility(変動性)
  2. ・Uncertainty(不確実性)
  3. ・Complexity(複雑性)
  4. ・Ambiguity(曖昧性)
 

物事の不確実性が高く、将来の予測が困難な状態のことを意味します。

 

ここで、認識していただきたいことは以下二つです。

  1. ・人は感情で動く。
  2. ・人は限定合理的に動く。

限定合理性は、認識能力に応じたものとして、限られた合理性を持ちえないということです。

 

上記内容を踏まえると、社員にはある程度の粘り強い教育や、状況に応じた環境・機会提供が必要であったり、また、段階を踏んだアプローチが必要だということに繋がります。加えて、さまざまな報酬が必要です。

 

① 管理職による役割認識の有無

管理職に就いた人は、その役割について理解していますか。

つまり、管理職の定義を曖昧にしておらず、組織の求めるものとの認識が一致しているでしょうか。

具体的な職務内容が明確にされていなければ、それだけでさまざまな負担が強いられるでしょう。

例えば、部下の育成要否、組織運営方法や内容、仕組み作りの要否や可否、目標達成支援など、さまざまです。

 

具体的に何をすべきで、何が求められているのでしょうか。

責任範囲や裁量範囲はどこまででしょうか。

 

それが明確でないことで、本来、従業員個々が行うべきことまで対応している管理職もいるかもしれません。つまり、その職務内容を拡大解釈してやらなくてもいい業務内容まで背負い込み、自分が本来やらなければならないことができなくなるわけです。そのことは、上記の「割に合わない」という事態に発展し、例えば、部下育成が求められていてもその余裕が生まれないということになるでしょう。

管理職が行うべきこと、組織全員がやるべきことなど、それぞれが個々に認識を一致させなければなりません。

 

② 部下育成等の要否

部下を育てるにも、その困難さを感じている人も多いのではないでしょうか。

なお、深刻なのは、自分に意識を向けている社員が増えていることです。

昔と違って、変化の激しい時代であり、部下育成の傍らで自分も全く安泰ではないという意識が働いたり、構っているような状況ではないといった不確実性の高い時代に影響を受けているようです。

つまり、そろそろ若手に、といった意識ではないようです。

例えば、管理職も若いうちに別業界等で活躍できるようなスキルを日々磨かなければならないように意識が向くこともケースとして挙げられます。

 

加えて、価値観や働き方が多様化しています。従来の方法で期待通りになるとは限らず、部下育成の責任は大きな負担だといえるでしょう。

 

③ VUCAのなかでの目標達成体制

不確実性の高い時代になり、スピーディに変化に対応しなければなりません。柔軟性のある人材ならば問題ないですが、従来の方法に固執した人は負担が大きいでしょう。

その意味で、変化対応の意識・行動の乏しいメンバーがいれば、管理職が感じるストレスは大きいかもしれません。

 

このような傾向のポイントは以下の内容として、まとめられるのではないでしょうか。

  1. ・年収増加が見込めない。
  2. ・自由時間確保が見込めない。
  3. ・やりがいやスキル向上が見込めない。
 

逆に上記3点を報酬として展開できれば、それを目指すような社員が生まれるかもしれません。要は、割に合う出世を期待してもらうような仕組みが必要です。

 

組織全体での対応策

そのような趣旨をもとに以下のような対応策を組織全体で検討してみてはいかがでしょうか。

  1. 管理職の役割を明らかにする。
  2. 部下育成の責任範囲を明確にする。
  3. 部下に啓蒙活動する。
 

① 管理職の役割を明らかにする。

自組織にとって管理職の役割は何でしょうか。とりわけ、メンバーシップ型雇用になると、管理職にさまざまな業務が期待される傾向にあります。

責任の範囲が不明確だと、あらゆる問題が生じます。

例えば、部下という人的資源不足分があれば、それは管理職責任でしょうか。もちろん、管理職責任のケースもあれば、人事部門の責任かもしれません。

なんでも管理職の業務ではないということの認識共有は必要です。

 

② 部下育成の責任範囲を明確にする。

部下育成が求められる場合、その責任の範囲は確認していますか。

管理職の責任として教育等実施についても求められているでしょうか。

基本的に、自分で勉強し、機会を創出しながら成長していくことが求められるとすれば、その裁量・責任範囲が必要です。

自分の成長は自分で責任を持つことの認識確認など、それぞれの責任範囲を明らかにすべきでしょう。

そのような取り組みは、確実に管理職の負担軽減や業務能率化に繋がるでしょう。

 

③ 部下に啓蒙活動する。

部下が当事者意識を持つことは大変重要です。

しかしながら、啓蒙活動を管理職に全て任せることは状況に応じて避けなければなりません。場合に応じて、外部の専門講師などに依頼して定期的に啓蒙することも必要でしょう。

なお、年に数回の啓蒙では、何も成果として生み出されません。

また、部下以外にも管理職研修は必須といえます。子離れと同じように、管理職も部下離れのようなものの促進が必要であり、「自分がいないと、部下は何もできない。」などと思い込まないようにすべきです。背負い込めば背負い込むほど、次世代の管理職のなり手がいなくなります。

組織にとって適切な内容の啓蒙がされるように環境整備の、粘り強い対応が必要です。

 

このように出世を拒む社員増加の背景には、管理職役割の曖昧さや部下育成の困難さ、不確実性の高いなかでの目標達成に対するプレッシャーなどがあるようです。

 

上記傾向に向けた対策において、ポイントは2つです。

  1. ・役割の明確化とフィードバック機会を持つこと
  2. ・組織とのコミュニケーション、上司・部下とのコミュニケーション機会があること
 

そのためには、1on1ミーティングを定期的に行われることが必要ではないでしょうか。

また、そのミーティング内容の裏付け・目標内容になる人事評価制度、それが紐づいている賃金制度等の整備があると自分の求められること、希望に向けた動き方などが明確になり、出世を求める人も出てくるかもしれません。

 

なお、人事評価制度構築の前に自組織の現状を把握することは必須です。その意味で、サーヴェイによる意識調査を通じて、課題を確認することは意義のある取り組みでしょう。

 

当グループでは、人事評価制度構築・運用支援ほか、サーヴェイのサービス提供をしております。

ご相談があれば是非お気軽にお問い合わせください。

   

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