2018/06/19
海外赴任がきまったら、まず初めに、赴任者の給与の支給方法を決定します。給与決定方式としては大きく分けて、購買力補償方式・併用方式・別建方式の3種類があります。
現地の立ち上げを担当する役職者を海外赴任させる場合などは、別建方式で給与を決定している会社も多いですが、それ以外の赴任者の場合は、購買力補償方式や併用方式で給与支給方法を決定した方が、いろいろな場面でメリットも多いのでお勧めです。
購買力補償方式と併用方式とでは、給与支給方法を決定する際に最も重要で基礎となる海外基本給の算出方法に大きな違いがあります。(※算出方法の違いについては別の記事にてご案内しています。)
海外基本給を決定したあと、次は各種手当の検討をします。手当の考え方については、給与決定方式の違いによる差はあまりありません。海外基本給や手当を検討するにあたって最も重要なことは、待遇を日本にいたときとそん色なく設定するということです。
たまに、海外赴任前に個人で負担していたものが、海外赴任後は個人での負担が全くなくなっていることがあります。赴任前と同等の生活レベルを保てるようにすることが判断の目安になるかと思われます。
海外赴任者の個人所得税は、海外赴任後については原則、海外赴任先の国で納税することになります。ほとんどの場合、海外で支払われる給与と国内で支払われる給与を合算して赴任国で納税することになります。赴任先の国ごとに、毎月の源泉徴収の有無・年末調整の有無・確定申告の有無などに違いがありますので、赴任国に応じて確認が必要です。
注意していただきたいことは、海外赴任者は赴任する前までに、その年の年末調整を日本で終わらせなければならないということです。
また、海外赴任者は住宅控除がなくなります。これは、海外赴任者にとっての不利益となりますので、前もって赴任者への説明と不利益に対して何かしらの施策が必要となります。特に、赴任年において住宅を取得されている場合は、帰国後にも住宅控除ができなくなりますので、ご留意ください。
人事部の皆様から一番多く問合せをいただくのが、海外赴任者の社会保険の取扱いについてです。社会保障協定を締結している国や、アセアン地域などあまり社会保障制度の整っていない国に赴任する場合は、日本の社会保険に継続加入したまま、海外赴任するケースがほとんどです。
継続加入の場合は、日本法人から支払われる国内給与の金額によって、社会保険料の計算の基礎となる標準報酬月額が決まります。もし、海外赴任にともない、標準報酬月額が下がることになれば、将来受給できる年金額も下がることとなります。このような場合、海外赴任者にとって不利益となりますので、赴任者への説明および施策が必要となります。
海外赴任者の赴任国における社会保険は、日本との間で社会保障協定が締結されていれば、原則として現地での加入は必要ありません。社会保障協定が締結されていない国については、各国の社会保障制度に応じた加入が必要となります。
以上のように、海外赴任者に対して人事部が確認すべき事項を簡単にご紹介させていただきました。※記載事項以外にも、細かなことはあるかと存じますのでご注意ください。
私どもガルベラ・パートナーズでは、初めて海外へ従業員を赴任させる企業様向けに、海外赴任者の給与・手当の構築をはじめ、海外赴任者規程のご案内や赴任国での個人所得税の納税のご案内をいたしております。
海外赴任者に関して、詳しくはこちらのサイトをご覧いただき、お気軽にご相談ください。
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