2021/06/14
A、「一般事業主行動計画」は、A4用紙1枚くらいで作成しておけば足ります。管轄の都道府県労働局へ届け出るのは「一般事業主行動計画」ではなく、「一般事業主行動計画策定届」ですが、こちらは定型の様式に〇をつけるだけの簡単なものとなります。本稿では、「一般事業主行動計画」について、どのような内容を記載すればいいのか、その内容について事例を示しながらご案内をさせていただきます。
101人以上の従業員を雇用する企業は「一般事業主行動計画」(次世代育成支援対策推進法)を策定し、都道府県労働局に届出し、公表・周知する義務が生じます。
また、両立支援等助成金を申請する企業は、101人未満であっても「一般事業主行動計画」を策定・届出・公表・周知しなければなりません。
当社は社会保険労務士法人として、数多くの両立支援等助成金の申請を代行させていただいておりますが、「一般事業主行動計画」も多く作成してきました。
まず、厚生労働省が推奨している一般事業主行動計画の環境整備目標を以下に掲載します。
主に育児をしている従業員を対象とする取組み
育児をしていない従業員をも含めて対象とする取組み
次に、依頼主の状況に応じて、どのような内容を記載すればいいかを下記に掲載しますので、該当するものがあればぜひご活用ください。
目標A:妊娠中の女性社員の母性健康管理についての説明資料を作成して社員に配布し、制度の周知を図る。
20##年▲月より、すべての社員にアンケート調査を行い、検討を開始する
20##年度より、育児休業制度に関する説明書の作成・配布、管理職研修や社内掲示板などによる社員への周知
目標B:20##年▲月までに、小学校就学前の子を持つ社員が、希望する場合に利用できる短時間勤務制度を導入する。
20##年▲月より、社員へのアンケート調査を行い、検討を開始する
20##年度より、制度の導入、社内掲示板などによる社員への周知
目標C:20##年★月までに、子の看護休暇制度を拡充する(子の対象年齢の拡大、育児・介護休業法の規定を上回る日数付与、いわゆる「中抜け」(就業時間の途中から時間単位の休暇を取得し、就業時間の途中に再び戻ること)で取得できる制度など)
20##年▲月より、社員へのアンケート調査を行い、検討を開始する
20##年★月より、制度の導入、社内掲示板などによる社員への周知
目標A:20##年◆月までに、子どもの出生時に父親が取得できる休暇制度を導入する。
20##年▲月より、社員のニーズを把握する
20##年★月より、制度の導入、管理職研修及び社内掲示板などによる社員への周知
目標B:20##年◆月までに、従業員全員の所定外労働時間を、1人当たり年間●時間未満とする。
20##年▲月より、所定外労働の原因の分析等を行う
20##年★月より、管理職を対象とした意識改革のための研修を●回実施する
20##年■月より、社内掲示板などによる社員に周知する
20##年◆月より、各部署における問題点を検討し、研修を実施する
目標A:妊娠中の女性社員の母性健康管理についての説明資料を作成して社員に配布し、制度の周知を図る。
20##年▲月より、社員の具体的なニーズ調査、母性健康管理についての情報収集を行う
20##年★月より、制度に関する説明文書を作成し、社員に配布する
目標B:妊娠中や産休・育休復帰後の女性社員のための相談窓口を設置する。
20##年▲月より、相談窓口の設置について検討する
20##年★月より、相談員の研修を行う
20##年■月より、相談窓口の設置について社員に周知する
目標C:年次有給休暇の取得日数を1人当たり平均年間●日以上とする。
20##年▲月より、年次有給休暇の取得状況を把握する
20##年★月より、計画的な取得に向けて管理職研修を計画期間中に●回行う
20##年■月より、各部署において年次有給休暇の取得計画を策定する
20##年◆月より、社内広報誌などでキャンペーンを行う
目標A:産前産後休業や育児休業、育児休業給付、育休中の社会保険料免除など制度の周知や情報提供を行う。
20##年▲月より、法に基づく諸制度の調査
20##年★月より、制度に関するパンフレットを作成し社員に配布
目標B:育児休業等を取得しやすい環境作りのため、管理職の研修を行う。
20##年▲月より、管理職へのアンケート調査による実態把握
20##年★月より、研修内容の検討
20##年度より、研修の実施
目標A:子どもの出生時における育児休業の取得を促進する。
20##年▲月より、制度内容等について社内広報誌などにより社員に周知
20##年★月より、管理職を対象とした研修の実施
目標B:週1日程度の在宅勤務ができる制度を試行的に導入する。
20##年▲月より、社内検討委員会を設置
20##年★月より、在宅勤務の内容や対象について検討
20##年■月より、試行実施し、課題を分析して本格実施の可能性を検討
目標A:20##年◆月までに、所定外労働を削減するため、ノー残業デーを設定、実施する。
所定外労働の現状を把握
20##年▲月より、社内検討委員会での検討開始
20##年★月より、ノー残業デーの実施
20##年■月より、管理職への研修(年●回)及び社内広報誌による社員への周知(毎月)
目標B:20##年◆月までに、年次有給休暇の取得日数を、一人当たり平均年間●日以上とする。
20##年▲月より、年次有給休暇の取得状況について実態を把握
20##年★月より、社内検討委員会での検討開始
20##年■月より、計画的な取得に向けた管理職研修の実施
20##年◆月より、有給休暇取得予定表の掲示や、取得状況のとりまとめなどによる取得促進のための取組の開始
以上が「一般事業主行動計画」の策定にあたってよくある事例となります。なお、一般事業主行動計画の具体的な策定手順については、以下のブログに掲載しておりますので、こちらもぜひご参照ください。
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