GERBERA PARTNERSブログ

商業登記|登記をしないと科される過料とは?

2019/02/01

Q、私は株式会社を立ち上げたときから一度も登記をしていません。登記をしないと過料を科されることがあると聞きました。過料を科されないようにするにはどうすればよいでしょうか?

   

A、株式会社を経営されている方は、取締役が結婚したり、亡くなったりしていないか、任期がいつまでなのか、代表取締役が引っ越しをしていないかに特にご注意ください。登記手続きを怠ると100万円以下の過料を科されることがあります。

 

解説(公開日:2019/02/01)

1.なぜ過料を科されるのか

日本では、すべての会社について、会社の名前、住所、経営者の氏名住所など、会社に関する情報が、法務局の商業登記簿に記録され、誰でも見られるようになっています。

 

これらはもちろん現在の会社の情報が正確に反映されていなければいけません。そこで、会社は、登記事項に変更が生じたのであれば、原則として2週間以内に、変更登記の申請をしなければいけません。(会社法915条1項)

 

2.株式会社の登記事項

会社法911条3項に規定されています。

  1. 1 目的
  2. 2 商号
  3. 3 本店及び支店の所在場所
  4. 5 資本金の額
  5. 13 取締役の氏名
  6. 14 代表取締役の氏名及び住所
  7. 29 第27号の定款の定めがないときは、第939条第4項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨

全部で29号までありますが、これらに変更が生じた場合に、登記を怠ると過料を科されるというルールになっています。(会社法976条1項1号)

 

3.過料を科されないようにするために

会社は、登記事項に変更が生じていないか常に気を配っていなければいけないわけではありません。

 

例えば、資本金の額は登記事項ですが(上記5)、資本金の額を変更するには、司法書士に依頼し、会社法の定める手続きを踏むことになろうかと思います。そして、会社がそのような手続きを踏んだ場合に、司法書士が登記を忘れることはないので、過料が科される心配はありません。

 

このように登記事項のほとんどは、会社の知らないところで勝手に変更されることはありませんし、司法書士が関与しているので登記を忘れることもありません。

 

しかし、例外的に、会社の知らないうちに、あるいは司法書士の関与しないところで、登記事項に変更が生じることがあります。その典型例が、取締役の結婚、死亡及び任期切れ、代表取締役の引っ越しです。。

 

例えば、取締役が結婚して、氏が変わった場合、取締役の氏名は登記事項ですので(上記13)、結婚してから2週間以内に取締役の氏名を変更する登記を申請しなければならず、これを怠ると過料を科される可能性が出てきます。

 

また、取締役には任期があり、(最長10年(会社法332条2項))任期が切れた取締役は退任させなければいけません。そして退任日から2週間以内に退任登記を申請しなければならず、これを怠ると過料を科される可能性が出てきます。仮に任期の切れた取締役がそのまま業務を続けるとしても退任させたうえで再任させなければなりません。

 

さらに、代表取締役が引っ越しをした場合、代表取締役の住所は登記事項ですので(上記14)、引っ越しをして住民票の変更をしてから2週間以内に代表取締役の住所の変更登記を申請しなければならず、これを怠ると過料を科される可能性が出てきます。

 

4.過料の額はいくらか?

この点については基準は明らかにされておらず、裁判所の判断によります。ただ、2週間を過ぎたら直ちに過料が科されるというわけではなく、3か月程度ならば過料を科されないことも多いようです。

 

また、額については裁判所がどのくらい悪質と判断したかによって変わりますが、多くは数万円程度で済んでいるようです。

 

5.過料決定通知が来たら

過料は罰金と違い刑罰ではありません。したがって、過料を科されたとしても前科とはなりません。その点はご安心ください。

 

過料決定通知は会社の代表者個人宛てに届きます。内容を要約すると下記のようなものになります。

   

上記の主文の部分が過料の金額になります。後日地方検察庁から納付書が届きますので、そちらを銀行にお持ちいただいて納付する流れになります。

 
 

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