2018/04/04
A、新卒に限らず、従業員を雇用した時には、法律で定められた安全衛生教育を実施する必要があります。正社員に限らず、全ての従業員が対象となります。教育する内容は、労働安全衛生規則第35条に沿ったカリキュラムが求められます。なお、安全の項目については、業種によって実施しなくてもよい場合があります。
雇入れの際の安全衛生教育は労働者安全衛生法で定められており、従業員を雇った時には必ず実施しないといけません。
この教育は新卒採用者に限られているわけではなく、すべての従業員が対象です。パートタイマーやアルバイトといった短時間勤務の方に対しても必要な教育です。
平成27年に改正になった労働者派遣法でも、派遣労働者を対象に派遣会社が雇入れの際の労働安全衛生教育を実施することが必須となり、計画書や報告書の記載要件となりました。
安全衛生教育と聞くと、製造業や運送業または建設業でだけ行われるようなイメージですが、すべての事業で実施する必要があります。
雇入れ時の安全衛生教育の内容を見ていきましょう。法律で定められた内容は次の通りです。
このうち(1)から(4)は、特定の機械や有害物質などの取扱いがないサービス業やオフィスワークが中心の業種については省くことができます。
また中途入社で、前職などの経験から、十分に知識や技能がある従業員の場合には教育自体を省略することができます。
労災を防ぐ観点からの、安全に重点が置かれた内容ですから、危険な作業を伴う建設・工事業、製造業、運送業などでは、当たり前のように行われていますが、危険度の低い職場では、安全衛生教育はつい忘れがちになってしまいます。
そのような職場では、実施するとなっても具体的な教育内容に頭を悩まされることでしょう。
先に上げた(5)から(8)は、企業で実施が必要ですから、職場環境と照らして安全確保と衛生保持の観点から項目と内容を検討することになります。
例としてはつぎのようなものが上げられるでしょう。
この中でもとくに近年注目されるのが「心身の健康管理」のうちのメンタルヘルスに関することです。原因はプライベートから仕事と多岐にわたりますが、メンタルヘルスに不調をきたして、仕事から離れざるを得ない人が増えていることは大きな社会問題になっています。
法律の上でも、すでに始まっているストレスチェックは、このメンタルヘルス不調を初期に気付くことを促して、重篤化することを防ぐことを目的にしています。ストレスチェックが義務化されているのは、従業員が50人以上いる職場ですが、従業員にとっては企業側以上に、メンタルヘルスに対する企業の取組みに高い意識を持って注目しています。
このような背景から、従業員のメンタルヘルスの保護は、企業としても見過ごせない問題として取り組まれることも増えてきました。社会人として新たな生活をはじめる新卒者には、特に情報提供が必要な分野でしょう。
これまで後回しにされがちであった、労働安全衛生分野ですが、働き方改革でも注目される長時間労働との関連性も深く、企業も意識して取り組むことが喫緊の課題です。 またこの分野に取り組むことは、多くの企業が悩んでおられる従業員の定着にもつながるという効果が期待できます。
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