2018/12/21
いよいよ年末が近づいてきました。12月に賞与を支給された会社も多いと思いことと思います。
賞与を支給したときに年金事務所に提出する「賞与支払届」と「賞与支払届総括表」について、記入する上での注意点を確認しておきましょう。
名称を問わず、労働者が労働の対償として受けるもののうち、支給が年3回以下であるものをいいます。年4回以上支給されるものは月々の社会保険料額を計算するための標準報酬月額の対象となります。
7月1日現在で、給与規程等の規程において、賞与を年4回以上支給することが客観的に定められている場合や、規程に定められていない場合であっても、6月30日までの1年間に4回以上の支給実績がある場合には、年4回以上の賞与に該当します。ただし、その年に限って例外的に支給されるものは支給回数に含めません。
恩恵的に支給される結婚祝金・病気見舞金、出張手当や解雇予告手当などは、労働の対償ではないため、賞与支払届の対象となる賞与には当たりません。
【ご参考】
「「健康保険法及び厚生年金保険法における賞与に係る報酬の取扱いについて」 の一部改正について」
(1) 提出時期と提出先
賞与を支払った日から5日以内に提出します。
郵送で提出する場合は、事業所の所在地を管轄する事務センターに送ります。
【ご参考】全国の事務センター 一覧
(2) 対象者
賞与支払届の対象となるのは次の2種類の方です。
① 社会保険(健康保険・厚生年金保険)の被保険者
被保険者のうち、注意が必要なのは産前産後休業取得者・育児休業取得者と退職者です。
産前産後と育児休業の期間については、休業開始日が属する月から休業終了日の翌日が属する日の前月までに支給されるものであれば、賞与についても保険料が免除されますが、保険料が免除される方についても、支払った賞与額について届出はしなければなりません。
退職者については、賞与の支給日が退職日(資格喪失日の前日)までであれば届出が必要です。退職後に支給される賞与については届出不要です。退職月に支給する賞与は、月末に退職する場合を除いて保険料控除の対象となりません。
② 70歳以上被用者
70歳以上であれば厚生年金の被保険者ではなく、75歳以上であれば健康保険の被保険者でもなくなりますが、一般の被保険者の労働時間の4分の3要件を満たして働く人については、「70歳以上被用者」として賞与支払届を出さなければなりません。これは、働きながら年金を受給する方の年金の額(在職老齢年金)を計算するために必要な書類です。
以前は、70歳以上の被用者に賞与を支払ったときの届出書は、「70歳以上被用者 算定基礎・月額変更・賞与支払届」という専用のものでしたが、平成30年度版から様式が変わり、被保険者と同じ用紙で提出することになりました。備考欄に「70歳以上被用者」をチェックする欄がありますので、もれなくしるしをつけてください。また、70歳以上被用者については、マイナンバーまたは基礎年金番号の記載が必要となりますので、こちらも記載もれのないようにしましょう。
(3) 届出の添付書類
賞与支払届に添付するのは原則、総括表のみです。
例外として、標準賞与額の年度の累計額573万円(年度は毎年4月1日から翌日3月31日まで)を超える場合には、「健康保険 標準賞与額累計申出書」を添付してください。
(1) 賞与支給がない場合
総括表は賞与支払がなかった場合にも「支給なし」として提出しなければなりません。支給がなかった場合には、賞与支払届の提出は必要なく、総括表のみ提出します。
(2) 記載の対象
賞与支払届総括表は、被保険者についてのみ記載します。このため、70歳以上被用者に賞与を支払っており、賞与支払届に70歳以上被用者に支給した賞与を記載していたとしても、「被保険者人数」、「賞与を支給した人数」、「支給した賞与の総額」に、70歳以上被用者の人数や70歳以上被用者に支給した賞与額は含めません。
(3) 「支給した賞与の総額」
総括表のうち、特に間違いやすいのは、「支給した賞与の総額」です。ここには、標準賞与額(各人に対して支給した賞与額から1000円未満を切り捨てた額)の合計を記載します。支給した賞与の合計から1,000円未満を切り捨てるのではないことに注意してください。
注意すべき箇所を押さえて、ミスなく手続きを進めましょう。
弊社では、日常的なちょっとしたご相談へのお答えから、労務問題やコンプライアンス対策まで、幅広く承っています。お困りのことがありましたらお気軽に当グループ社会保険労務士までご相談ください。