2019/01/18
会社は、就業規則を作成または変更するにあたって、当該事業場に、従業員の過半数で組織する労働組合がある場合にはその労働組合、従業員の過半数で組織する労働組合がない場合には従業員の過半数を代表する者(以下、これらを合わせて「過半数代表」という。)から意見聴取をしなければなりません。そして、会社が就業規則を管轄の労働基準監督署に届け出るときには、当該意見を記した書類を添付する必要があります。
この場合における「意見聴取」は、過半数代表との協議決定まで要求するものではありません。就業規則について過半数代表の意見を聴けば足り、当該意見を採用しないからといって労働基準法違反にはあたらないとされています。
そして、たとえ当該意見が就業規則に全面的に反対するものであっても、部分的に反対するものであっても、また、反対する理由がどのようなものであっても、就業規則の効力には影響がありません(当然のことながら、就業規則が従業員に対して拘束力を持つためには、その内容が合理的なものであり、従業員に周知されている必要はあります)。
すなわち、過半数代表が就業規則の変更について反対の意見を述べていたとしても、会社はその意見を採用することなく手続きを進めてしまうこともできるのです。
しかし、会社が最初から、どのような意見が出てきても考慮するつもりがないという姿勢の場合には、問題があるでしょう。前述のとおり、変更後の就業規則が従業員に対して拘束力を持つには、それが合理的なものである必要があります。その合理性を判断するにあたっては、過半数代表とどのように交渉したかという点も考慮されることに注意が必要です。
実際は、過半数代表の意見が述べられることも、意見が述べられた場合に会社が全く考慮せずに手続きを強行するということも、そう多くはないように見受けられます。だからこそ、意見があれば検討し、採用できるものは採用するという誠実な対応が求められるでしょう。
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