2015/05/07
Q 娘の小学校のPTAのような父母会の役員に選ばれました。この父母会の目的は子供たちの学校生活をより良くするもので、その活動の一環として学校公認グッズの製作販売をします。そこから得た収益を、災害対策の備蓄品購入に充てる、児童園に寄付をするなどして最終の収支はゼロになるようにしているようです。このような活動ですが、確定申告など税金の申告や納税は必要ないでしょうか?
A 小学校などのPTAや父母会は、法律上での法人ではありませんが、法人税法上では「人格のない社団等」という法人に分類されます。
そして、その人格のない社団等が非営利型法人の要件に該当する場合には、すべての収益のうち、法人税法上の収益事業から得られた収益にのみ法人税が課せられます。
非営営利型法人の要件は、(1)非営利性が徹底された法人、(2)共益的活動を目的とした法人の二つに分かれています。
具体的に、(1)非営利性が徹底された法人の要件は、剰余金の分配を行わないことを定款に定めていること、解散した時は、剰余財産を国・地方公共団体等に贈与することを定款に定めていることなどが定められています。(2)共益的活動を目的とする法人の要件は、会員に共通する利益を図る活動を行うことを目的としていること、定款等に会費の定めあること、主たる事業として収益事業を行っていないことなどが定められています。
法人税法上の収益事業は、物品販売業から始まって全部で34の事業を定めています。 バザーやオリジナルグッズの販売、模擬店などは収益事業に該当されそうですが、「継続して事業場を設けて行われるもの」(法人税法2十三、法人税法施行令5①)というさらなる要件がありますので、この要件に該当しない場合には収益事業には該当せず、法人税が課税されないことになります。
従いまして、PTAや父母会などの活動の第一の目的が生徒の学校生活円滑のためで、主たる事業として収益活動を行っていないのであれば、イベントごとに行われているような年の1、2回の物品販売であっても、「継続して事業場を設けて行われるもの」の要件に合致しないので、そこから得た収益は法人税上の課税対象ではないと判断され、申告や納税の必要はないことになります。
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