2021/06/22
A、事業再構築補助金の申請にあたって「事業再構築」の5つの類型を考えることは、補助金受給のための最初の関門となります。貴社が進めようとしている新規事業が、これら5つの類型のどれにあたるかについては、「事業」と「業種」という言葉をしっかり理解してから判断することが大前提となります。詳細は下記解説をご覧ください。
事業再構築補助金の申請にあたっては、その新規事業が以下の5つの類型のうちのどれに該当するのかを選択するところからはじまります。5つの類型とは以下となります。
これらの細かい定義は「事業再構築指針」に記載されていますが、それ自体がわかりにくいため、本稿ではもう少し踏み込んで解説を進めてまいります。読者の皆様が、まずは指針のほうをご覧になっていることを前提に話を進めてまいります。
5つの分類のなかに「事業転換」「業種転換」「業態転換」とありますが、それぞれ「事業」「業種」「業態」という言葉が何を意味するのかを知っておく必要があります。
これらは「日本標準産業分類」という公的な産業分類と密接なかかわりがありますので、貴社の既存事業と今回の新規事業の双方の日本標準産業分類を調査すれば答えは出てくるかと思われます。
インターネットで「日本標準産業分類 eStat」と調べると、「e-Stat」という政府統計データの検索サイトが出てきます。そこで既存事業の産業分類や今後展開する新規事業の産業分類を見つけます。
たとえば貴社が従来から居酒屋を経営しているのであれば、このサイトの検索窓に「居酒屋」と入力してみてください。そうすると、以下のような詳細情報が出てきます。まずは、これが既存事業の産業分類ということになります。
事業 |
大分類、中分類、小分類、細分類と、分類ごとに表示されています。事業再構築補助金では、これらの分類のどの部分が変わるのかによって、新分野展開なのか事業転換なのか、業種転換なのか業態転換なのかが決まることになります。
大分類は主たる「業種」、中分類と小分類と細分類は主たる「事業」を表しています。事業再構築補助金の「新分野展開」は業種も事業も変わらないことが大前提となります。つまり、大分類以下のすべてが変わらないということです。「事業転換」は、業種は変わらないけれど、事業が変わります。つまり大分類が変わりませんが、中分類以下のいずれかが変わります。そして「業種転換」は業種が変わりますので、大分類自体も変わるということになります。また、「業態転換」はこれら大分類や中分類などがどう変わるのかは関係なく、新たな製造方法や役務提供方法を用いることに力点を置いています。
「業種」や「事業」が変わる場合は、事業転換または業種転換のいずれかに分類され、その新たに始めた事業が3~5年後には売上比率に占める最も大きな事業の柱になっていなければなりません。そこまではいかないのであれば、事業転換か業種転換はあきらめて、新分野展開または業態転換のいずれかに該当することで、3~5年後にはその新規事業の売上比率が全体の10%以上になっていれば足ります。
それでは、以下に1つずつ類型を解説し、それぞれの類型において政府が第1回の公募で実際に支給決定をした新規事業を例示してまいります。
業種や事業を変えず、つまり大分類や中分類、小分類などを変えずに、新たに新商品や新サービスを投入して3~5年の間にその新事業が全体の10%以上の売上比率になるように育てていく展開方法をいいます。製品等の新規性要件と市場の新規性要件を満たしていることが重要となります。
ただし、この「新規性」というのは世の中で初めてという意味ではなく、自社のなかで初めての商品やサービス、新たな市場への進出などを言います。
全体の売上のなかで一番になる必要はなく、二番以下に育てればよく、逆に一番の売上比率に育てるのであれば、業種転換や事業転換になる可能性があります。
本業が変わるということを前提に、直近決算で売上が一番あった分野から、別の分野に進出して売上比率がそちらに大きく変動していくいう新規事業を行うことをいいます。
中小企業等が新たな製品を製造し又は新たな商品若しくはサービスを提供することにより、主たる「業種」を変更することなく、主たる「事業」を変更することをいいます。すなわち、日本標準産業分類のうち、大分類の「業種」はかわらず、中分類以下の「事業」が変わるというものです。3~5年かけて新たな事業の売上が全体のなかで50%以上になることが要件となります。製品等の新規性要件と市場の新規性要件を満たしていることが重要となります。
業種自体が変わってしまうほどの、大掛かりな取り組みにより、新規事業を展開してから3~5年後には新たな業種の売上比率が最も高くなるとなるような展開方法をいいます。大分類から変更されることになります。製品等の新規性要件と市場の新規性要件を満たしていることが重要となります。
商品の新規要件か、設備撤去要件(店舗の場合は店舗面積の縮小を伴うもの)のいずれかを満たすことで、新たな業態にチャレンジし、3~5年後に新たな製品やサービスが売上の10%を超えていることが要件となります。新規要件は、製品の製造方法か役務の提供方法が変わるということを意味しています。なお、大分類や中分類など、日本標準産業分類がどう変わるかは関係ありません。
事業再構築補助金は、2021年4月から公募が始まっていますが、必ずしも申請が通るものではなく、審査をパスするためには事業計画の内容を充実させるとともに、早めの申請が重要となります。
補助金事業は、申請があとになればなるほど審査機関の人たちも審査経験を積んでいきますので、審査が厳しくなる傾向にあります。ぜひ早めの申請をご検討ください。
ガルベラ・パートナーズグループは、事業再構築補助金の申請に必要な認定支援機関の資格を有しているだけでなく、システム開発やEC事業の立ち上げ、海外進出なども得意としていますので、なんなりとご相談ください。グループ全社を挙げて貴社の事業再構築補助金申請をサポートします。お気軽にお問い合わせください。
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ガルベラの助成金活用サポート「事業再構築補助金」
ガルベラ・パートナーズグループは2005年の設立以降、税務・会計・労務・法務の専門家を集めて組織化を進め、2021年4月現在、国内と海外の専門家法人22社で構成されています。
税理士法人ガルベラ・パートナーズや社会保険労務士法人ガルベラ・パートナーズ、行政書士法人ガルベラ・パートナーズなど国内の専門家法人のほか、中国、香港、台湾、ベトナム、タイ、シンガポール、アメリカの7か国8都市に公認会計士や法務・労務の専門家が在籍し、海外進出の準備支援や現地法人設立、会計税務業務、労務管理業務などをワンストップでサポートしています。
システム開発部門は、2021年4月現在、日本側20名、ベトナム側50名の開発者が在籍し、アプリやWEBシステムの開発をリーズナブルに行っています。
新型コロナにより海外との往来が難しくなった今でも、中国、台湾、ベトナムの貿易担当者が海外からの部品や製品の調達、検品、展示会視察などをサポートしており、お客様のEC展開などもご支援しております。
また、税理士法人ガルベラ・パートナーズは認定支援機関の第1号認可取得業者であり、社会保険労務士法人ガルベラ・パートナーズや行政書士法人ガルベラ・パートナーズは助成金申請代行業務を得意としています。
事業再構築補助金の獲得をご検討の際は、ぜひ弊社補助金担当へお声がけください。
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