2015/06/15
A 以下をご確認下さい。
「出向」とは、「命令により自社の使用人の身分上の地位・雇用関係を継続(休職)したまま、相当期間にわたって他の企業に派遣し、その企業の指揮命令の下に業務に従事させること」をいいます。出向者は、出向元法人と出向先法人の両方で二重の雇用関係を有しており、このような出向のことを「在籍型出向」と呼びます。
これに対して、「移籍型出向」と呼ばれるのが、「転籍」です。「転籍」とは、「使用人を従前の身分関係を断ち切って他の企業に勤務させること」をいいます。「転籍」は、グループ間の人事異動のほか、事業譲渡に伴う従業員移転や、企業組織再編成のうち会社分割に伴う労働契約の承継も「転籍」の一種です。
以下の記事は、基本的には「出向」を前提として書いていきます。
出向者に対する給与の負担は、労務の提供を受ける出向先法人が行うのが基本です。出向者への給与の支払い方としては、出向先法人が直接出向者本人に支給する直接支給と、出向元法人が出向者本人へ給与を支給し、出向先法人から出向元法人へ給与相当額の負担金を支払う間接支給の2つのパターンが考えられます。
税務上は、どちらの支給形態をとったとしても、特に、出向先法人が出向元法人を通じて間接支給する場合であっても、出向先法人においてその支給額が給与として取り扱われます(法基通達9-2-45)。つまり、支給形態にかかわらず、出向者の給与は出向先法人の経費として認められます。
また、出向者が出向先法人で役員となっている場合において、次の要件を満たすときは、その出向役員に対して出向先法人が支払った給与負担金の支出について、法人税法第34条に規定する役員給与の規定が適用されることになります。
さらに、出向者に対する給与に係る所得税の源泉徴収義務者は、出向先法人が直接支給する場合には出向先法人、出向先法人が出向元法人を通じて給与を間接支給する場合には出向元法人となりますので源泉所得税の取扱いについては注意が必要です。
本来出向先法人が出向元法人と出向先法人の給与ベースの較差等があるために、出向元法人が一部給与を負担するケースもあります。
この場合は、出向元法人と出向者との間には雇用契約が依然として維持されていることから、この較差補てん金は出向元法人の損金として認められます。また、出向先の法人が経営不振等で出向者に賞与を支給することができないため、出向元の法人がその出向者に賞与を支給する場合や出向先の法人が海外にあるため、出向元の法人が留守宅手当を支給する場合も較差補てん金として取り扱われます。
この給与較差補てん金は、出向元法人が出向者に直接支給しても、出向先の法人を通じて支給しても同様に取り扱われます。
このように出向者に対する給与については税務上の取扱いが複雑になりますので、随時顧問の税理士、会計士に確認をとることをおすすめします。また、最近では出向者が海外の会社へ出向するケースも増えており、その場合の取扱いについてはさらに色々な検討が必要となります。
ガルベラ・パートナーズグループでは、海外進出を支援している関係で、海外への出向者に対する給与の取扱いについてもアドバイスできます。出向者について、聞きたいことがあるという方は、いつでもガルベラ・パートナーズグループにご相談ください!
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