二以上勤務者に賞与を支払う際の社会保険料はどう計算する？ | ガルベラ・パートナーズグループ

Ｑ、二以上勤務者に賞与を支払うのですが、賞与から控除する社会保険料はどのように計算すればよいでしょうか。　　

Ａ、選択事業所が加入している健保の料率で社会保険料を計算します。　

 

解説（公開日：2024/11/22）

   

副業をする人が増えてきていることに伴って、２つ以上の事業所で社会保険の被保険者になる人も増えてきています。

 

２つ以上の事業所で社会保険の被保険者となる場合、主たる事業所を選択して二以上事業所勤務届を年金と健保に提出すると、各事業所から受けている報酬額で保険料が按分計算され、毎月の給与から控除する保険料の決定通知が届きます。

 

毎月の社会保険料はこの決定通知に基づいて本人の給与から控除を行っていきます。

 

算定や月変があった場合も決定通知が届くので、それに従って控除を行えば良いわけです。

 

では、賞与を支払った場合の社会保険料はどのように計算するのでしょうか？

 

二以上勤務者でない方については、賞与額の1000円未満を切り捨てた標準賞与額に社会保険料率を乗じて算出しますが、二以上勤務者についてはケースにより計算の仕方が異なります。

 

選択事業所と非選択事業所の加入している健保が同じ場合

同じ料率の健保に加入している場合であれば、通常通り標準賞与額に加入している健保の料率を乗じて算出します。

 

B社で10万円の賞与を支払った場合の社会保険料算出方法

健康保険料	100,000円×4.99％＝4,990円
介護保険料	100,000円×0.8％＝800円
厚生年金保険	100,000円×9.15％＝9,150円

 

選択事業所と非選択事業所の加入している健保が違う場合

選択事業所では組合健保に加入し、非選択事業所は協会けんぽに加入している場合など両事業所の健康保険料率が違う場合は、選択事業所が加入している健保の料率で計算を行います。

 

B社で10万円の賞与が支払われた場合の社会保険料算出方法

健康保険料	100,000円×4.5％＝4,500円
介護保険料	100,000円×0.9％＝900円
厚生年金保険	100,000円×9.15％＝9,150円

 

このように、加入している健保の料率が違う事業所での二以上勤務者がいる場合には、社会保険料の計算で使う料率について特に注意が必要です。

どちらも協会けんぽに加入している場合でも、都道府県によって違う料率が適用されることにご注意下さい。

 

二以上事業所勤務者に該当する方が入社される際には、選択事業所の加入している健保の情報も入手しておくと良いでしょう。

 

社会保険労務士法人ガルベラ・パートナーズでは、企業の労務管理の強化をサポート致します。どうぞ、お気軽にお問い合わせください。