GERBERA PARTNERSブログ

育成就労制|育成就労制「外国人が育つ会社へ」

2026/08/26

Q、育成就労制に移行しますが、外国人が育つ会社にするためにはどうしたらよいでしょうか?



A、2027年4月1日から現行の技能実習制度に代わり「育成就労制度」がスタートします。 注意するポイントをまとめて解説します。


解説(公開日:2026/08/26)

 

「技能実習生を受け入れているが、今後どうなるのか?」 「これから外国人材の採用を考えているが、何を準備すればいいのか?」こうしたご相談が増えているのではないでしょうか。育成就労制度は、単なる「技能実習制度の名称変更」ではありません。制度の目的も、人材育成と人材確保を重視する方向へ変わります。
つまり企業側にも、これまで以上に「採用した外国人材を、どのように育て、どのように評価し、将来どのような人材として活躍してもらうのか」という視点が求められます。


その中でも外国人材の受入れで、企業が意外と見落としやすいのが日本語教育です。
「日常会話くらいはできるようになってから来てもらえばいい」「仕事をしながら日本語を覚えてもらえばいい」という考え方だけでは、これからの制度には十分対応できません。
重要なのは、仕事に必要な日本語を、仕事と一緒に身につけてもらうことです。


例えば、製造現場なら「確認」「停止」「危険」「報告」。建設現場なら安全指示や工具・作業名など、まずは安全と品質に直結する言葉から教育することが考えられます。日本語教育を外国人本人の努力だけに任せるのではなく、会社として「何を、いつまでに、どの程度身につけてもらうのか」を考えておくことが重要です。


「給与・評価・キャリア」も見直しが必要です。
育成就労制度への対応というと、在留資格や育成就労計画、監理支援機関などの手続に目が向きがちです。しかし、企業にとって本当に重要なのは、その先です。「3年間働いてもらう」ことをゴールにするのではなく、
「入社 → 仕事を覚える → 技能を身につける → 評価される → 役割・給与が上がる
→ 特定技能への移行 → 将来のリーダー」
という成長の道筋を会社として描いておく必要があります。
ここで重要になるのが、人事評価制度の見直しです。
外国人材だからといって、日本人社員とは別の曖昧な評価をするのではなく「何ができれば一人前なのか」「次の役割を任せるには何が必要なのか」を明確にする。つまり、育成就労制度への対応をきっかけに、既存の人事評価制度そのものを見直すことが必要です。これは外国人材だけのためではありません。
「頑張っているのに評価されない」「何を身につければ昇格できるのか分からない」という日本人社員の不満解消にもつながります。


◆2026年8月の運用要領改正にも注意が必要です。
育成就労制度は、制度開始までの間にも運用の具体化が進んでいます。2026年8月にも「育成就労制度運用要領」の一部改正が行われました。今回の改正では、監理支援機関が行う育成就労に関する職業紹介や、準備行為としての雇用関係成立のあっせん、監理支援費の管理などについて具体化されています。
特に注意したいのが、制度開始前の準備行為に要した費用です。監理団体が育成就労に関する準備行為を行う場合、その費用を受入企業から徴収することは可能ですが、外国人本人に直接・間接に負担させないこと、受入企業にあらかじめ用途と金額を明示すること、実費のみを徴収することなどが明確にされています。「今までお願いしていた監理団体だから大丈夫」と考えず、育成就労制度に対応するための体制や手続、費用について、早めに確認しておくことが重要です。


また、2026年9月1日からは、育成就労計画の施行日前申請も始まります。今から始めたい5つの準備として、育成就労制度の導入を検討している企業は、まず次の5点を確認してみてください。

  • ① 自社の事業・業務が対象となる分野・業務区分に該当するか
  • ② どのような人材を採用し、3年間で何を身につけてもらうのか
  • ③ 日本語・技能・安全教育を誰が、どのように行うのか
  • ④ 「何ができれば評価され、給与や役割がどう変わるのか」を明確にできているか
  • ⑤ 育成後の特定技能への移行を含め、キャリアを描けているか

特に④は、これからの外国人材受入れにおいて重要なポイントになります。「外国人材を受け入れる」から「人材が育つ会社」へ。育成就労制度への対応を、単なる外国人材受入れのための手続としてだけで考えるのは、少しもったいないかもしれません。
「仕事を教える」「技能を身につけてもらう」「できるようになったことを評価する」
「役割と給与に反映する」「次のキャリアを示す」
この仕組みを整えることは、外国人材だけでなく、会社で働くすべての社員の成長につながります。
2027年4月の制度開始を前に、今一度、自社の「採用・教育・評価・給与・キャリア」の仕組みを見直してみてはいかがでしょうか。


外国人材を受け入れる会社から、外国人材が成長し、長く活躍できる会社へ。育成就労制度への対応は、会社の人材育成そのものを見直す絶好の機会にもなるはずです。


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