2026/06/12
A、遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類あります。男女差の解消を目的とし、給付額の加算とともに原則5年間の有期給付に改正される「遺族厚生年金」について解説します。
遺族年金は、家計を支えていた人が死亡したときに、残された家族の生活を支えるための給付金です。死亡した人が加入していた年金によって主に次の2つに分かれ、死亡したときに受給要件を満たしていれば対象になります。
| 年金種別 | 死亡していた人が 加入していた年金の種類 |
年金をもらえる家族 |
|---|---|---|
| 遺族基礎年金 | 国民年金 | 18歳未満の子供がいる配偶者、子どものいずれか |
| 遺族厚生年金 | 厚生年金 | 配偶者や子ども、父母など、優先順位あり |
共働き世帯が一般的になったことや、男女間の制度の差をなくすことを目的として、令和10年4月から新しいルールが始まります。
大きな変更点は、18歳未満の子どもがいない世代の遺族厚生年金が、男女ともに原則として「5年間の有期給付」に統一されることです。
・女性:令和10年度末の時点で「40歳未満の妻」は、これまでの「一生涯」から「5年間」の給付に変わります。
・男性:施行直後から、妻が死亡した時点で「60歳未満の夫」も新しく「5年間」の給付を受け取れるようになります。
ただし、ただ期間が短縮されるわけではありません。残された配偶者が仕事を見つけるなど生活を立て直すための期間として、この5年間のあいだにもらえる年金額が現在の約1.3倍に増額され、加えて年収850万円以上の方も受け取れるようになります。
さらに、5年間の給付期間が終わった後も、病気やケガで障害がある方や十分な収入が得られない方については、「継続給付」として年金が支給され続ける仕組みが導入されます。
たとえば、就労収入が単身で月額約10万円(年間122万円)以下の場合は継続給付が全額支給されます。収入が増えるにつれて年金が緩やかに減額され、月収が概ね20~30万円を超えると支給がストップするよう調整されます。

出典:厚生労働省「遺族厚生年金の見直しについて」
ルールの変更により「いきなり年金がもらえなくなるのでは」と心配されるかもしれませんが、以下の方々は今回の見直しの影響を受けません。
今回の改正で、一部の世代では配偶者と死別したあとの公的保障が「一生涯」から「5年間」へ短縮されます。減少する公的保障をカバーすべく、企業として慶弔見舞金や団体定期保険等の福利厚生を整えることが、従業員の安心と働きやすい環境づくりにつながるでしょう。
また、年金は一人一人の加入期間や加入している制度などにより給付額は変動します。ご自身が受け取る年金を詳しく調べたい場合は、最寄りの年金事務所や専門家である社会保険労務士に相談してみてください。
社会保険労務士法人ガルベラ・パートナーズでは、豊富な経験と専門知識を活かし、企業の労務管理の強化サポートをお手伝い致します。お気軽にお問い合わせください。
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