GERBERA PARTNERSブログ

法人税|建退共とは何ですか?掛金は経費になるのでしょうか?

2016/11/17

Q 当社は建設業でこの秋、社員を中途採用しましたが、その社員から建退共に加入してほしいという依頼がありました。そもそも建退共とは何なのでしょうか?この掛金は税務上会社の経費になるのでしょうか?

 

A 建退共の正式名称は建設業退職金共済と言います。建退共は独立行政法人勤労者退職金共済機構という組織が運営しており、他には中退共(中小企業退職金共済)、清退共(清酒製造業退職金共済)、林退共(林業退職金共済)があります。

 

 建退共の制度を簡単に言いますと、まずは会社が建退共に加入して共済手帳を受け取ります。会社はその共済手帳を労働者に渡して、労働者は会社からもらった証紙を毎回毎回共済手帳に貼っていきます。労働者が仕事を退職する際には、建退共から退職金が支給されるのですが、証紙の貼付数に応じて退職金の金額が変わるという制度です。

 

 この共済証紙には1日券(310円)と10日券(3,100円)があり、赤色(労働者が300人以下又は資本金が3億円以下の中小事業主に雇われる労働者のための証紙)と青色(労働者が300人を超え、かつ、資本金が3億円を超える大手事業主に雇われる労働者のための証紙)に分かれます。

 

 建退共は、建設業を営むすべての事業主が、建設業退職金共済制度に加入して共済契約者となることができます。総合・専門・元請・下請の別を問わず、専業でも兼業でも、また、許可(大臣・知事)を受けているといないとにかかわらず、加入できます。また、建設業の現場で働く人たちのほとんどすべての人が建退共の対象者になることができます。

 

 建退共の掛金は、法人でも個人でも当然必要経費になります。労働者の給与収入にもなりません。しかし、注意点があります。購入した共済証紙を共済手帳に貼付しない場合、又は下請に現物交付しなかった場合には、必要経費と認められません。会計処理的に言うと、貼付するまでは経費処理せず、貯蔵品という資産扱いにします。そして貼付をすれば貯蔵品を減らし、福利厚生費という経費処理を行います。

 

 建退共は経営事項審査の加点になるため 建設業の方は進んで加入しています。加入されておられない事業主様は是非とも加入をお勧めいたします。

 

 


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