GERBERA PARTNERSブログ

人事制度|人事評価制度を導入したら、助成金が貰えるの?

2017/06/01

Q、人事評価制度を導入したら、助成金が出ると聞きました。 どのような助成金で、どのようにしたら助成金を受給できるのでしょうか?

A、2017年4月1日に「人事評価改善等助成金」が創設されました。
人事評価制度を導入後、導入前よりも雇用保険に加入している従業員の給料の平均額が2%以上昇給することができた場合に、50万円の助成金を受給することができます。
また、生産性や離職率を改善することで、1年後に更に80万円の助成金を受給することができます。

 

解説

   

人事評価改善等助成金の概要

人事評価改善等助成金は、以下の3回のタイミングで申請を行うことになります。 導入直後に「制度整備助成(支給額50万円)」、導入1年後に「目標達成助成(支給額80万円)」の支給申請を行います。

 

導入前の申請

制度整備助成(支給額50万円)を受けるためには、事前に整備計画を定めて、管轄の労働局の認定を受けなければなりません。 まずは、この認定申請を行います。

 

導入直後の申請

人事評価制度を整備し、実際に雇用保険に加入している従業員に対して、前月比2%増の給料を支給し、その支給を見届けた後に、支給申請を行います。

 

導入1年後の申請

評価制度を改善のうえ実施してから1年後に、目標達成助成(支給額80万円)の申請を行うことができます。 この助成金は、以下の要件を満たした場合に支給されることになります。

   

ポイント

生産性の向上

人事評価制度等の実施日の翌日から1年後において、その直近年度の生産性が、更に3年前の生産性と比べて6%上昇していること。 生産性については次項に詳細を記載します。

 

賃金の増加

人事評価制度等の整備や実施の結果、制度実施月の前月に支払われた賃金の額と比較して、その1年後に支払われる賃金の額が2%以上増加していること。

 

離職率の低下

人事評価制度等の整備や実施の結果、制度実施日の翌日から1年間の離職率が、人事評価制度等の整備計画を提出する前1年間の離職率よりも、下表に掲げる目標値以上に低下させること。

雇用保険が一般被保険者の
人数規模区分
1~300人
301人以上
低下させる離職率ポイント
維持
1%ポイント以上

低下させる離職率の目標値は、対象事業所における雇用保険一般被保険者数に応じて 変わります。

 

生産性ってどうやって計算するの?

現在、我が国では年間の経済成長率や物価上昇率の目標を2%と設定しています。(現実的には達成していません)

 

今後、労働力人口の減少が見込まれる中で経済成長を図っていくために

個々の労働者が生み出す付加価値(生産性)を高めていくことが不可欠と考えます。

そこで、企業における生産性向上の取組みを支援するべく、一部の労働関係助成金について、生産性を向上させた企業に対して、その助成額の上積み措置を設けています。

 

助成金の申請にあたって使用される生産性とは

労働生産性のことを指しており、「付加価値額」を「雇用保険に加入している従業員数」で割って従業員1人当たりがどれくらいの付加価値額を稼ぎだしているかを見る指標のことをいいます。

通常、多額の設備投資を要する業種は労働生産性が高く、多くの人手を介する労働集約的な業種は労働生産性が低いといえます。

※付加価値額については下記のような明確な計算方法が示されており、この付加価値額を雇用保険に加入している社員数で割った数値が、2%以上となっているかどうかによって助成金の受給可否が決まります。

付加価値額= 人件費+減価償却費+動産・不動産賃借料+租税公課+営業利益

更に詳しい内容はこちらの算定シート(※別窓開きます)をご覧ください。

 

人事評価改善等助成金について

生産性向上を遂げた企業に対して、ご褒美的な目標達成助成(支給額80万円)を行うこととなっています。 ですが、実はこの人事評価改善等助成金においては、生産性を向上させるだけでは足りず、この他に上記1~3のように以下の要件が必要になっています。

ですが、実はこの人事評価改善等助成金においては、生産性を向上させるだけでは足りず、この他に上記1~3のように以下の要件が必要になっています。

  1. ● 実際に賃金の上昇があったことと
  2. ● 離職率が下がらないこと ※301人以上の企業については1ポイント以上下がったこと
 

そしてもう1点!

見逃せないことは、生産性の向上を図る企業について、労働局はその取引銀行に照会することができるという点です。

企業は割増しの助成金を申請する際に、取引銀行への照会について同意するとともに、取引銀行は以下の内容に関する参考意見を提出することとされています。

そしてもちろん、取引銀行がどのように参考意見を述べたかについては、企業側は照会することはできないこととなっています。

 

照会内容

  1. ●対象企業の企業名、所在地、代表者名、業種
  2. ●与信取引の有無
  3. ●企業の事業に関する見立て
    1.  ・市場(市場の成長性等)
    2.  ・競争(競争優位性等)
    3.  ・事業特性(事業の経済性等)
    4.  ・ユニークネス(経営資源・強み等)
  4. ●その他、上記3の補足情報
 

人事評価制度の構築と助成金の関係<

昨今の求人難の打開のためにも、賃金制度の改定が有効と考える企業が増えています。

今回ご案内している助成金については、目的を助成金の受給に置かず、人事評価制度をいかにして作成し、導入を図っていくかに置くことが重要となります。

 

というのも、2%の賃金上昇目標は、たかが2%、されど2%です。

例えば、従業員の平均年収が500万円とすると、2%の上昇ということは1人あたり年間10万円の上昇となります。

10人の会社は100万円、30人の会社は300万円となり、それに対して助成金の額は50万円と80万円で合計しても130万円。

企業規模が大きくなるにつれて、助成金の効果など吹き飛んでしまいます。

そのため、この人事評価改善等助成金は、助成金ありきでの人事評価制度の設計ですと、会社の将来に禍根を残すことにもなりかねないため、しっかりとしたモデル賃金や将来設計をしながら、人事評価制度の構築を進められることが重要かと思います。

当社がご案内している人事評価制度は、従業員のモチベーションを上げ、自らが能動的に動くようになり、その結果として生産性の向上が望まれることになります。

そして、構築に伴うコンサルティング報酬の大半が助成金でカバーできるとすれば、なんて素晴らしいことでしょうか。

はじめて人事評価制度を導入する企業様向けに、その構築方法と助成金の申請について無料セミナーを随時行っております。

ぜひご参加ください。

 

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