2018/02/22
消費税簡易課税制度は、課税売上(消費税のかかる売上)の金額からのみで納付する消費税額を計算する方法です。適用要件としては、基準期間(当該年度の2年前の期間)の課税売上額が5千万円以下の場合に適用が可能です。
計算方法がシンプルに見えることから多くの小規模事業者が採用していますが、実は制度の仕組みを知れば知るほど少しも簡易ではありませんし、一歩間違えれば大事故につながりかねない非常に危険な制度と言えます。そういった意味では正しい知識を持った専門家と常に隣り合わせの上で適用していく制度だと考えます。
ちなみに、税理士損害賠償訴訟で一番多いのがこの簡易課税制度絡みです。専門家でもうっかりミスをしてしまいがちなこの制度、素人の方には尚更危険な制度です。
今回、消費税簡易課税制度の適用届出提出や具体的な計算方法の仕組みは省き、質問の回答に関する事項を中心に解説いたします。
合併や分割があった場合等における場合を除いて通常の場合は、1期目と2期目はそもそも2年前が存在しないため、消費税の課税事業者(消費税を納めることになる事業者)でないケースが大半です(但し、例外はあります)。
しかし、設立時点で資本金が1千万円以上の会社や消費税課税事業者選択届出を提出している場合は、消費税の納税義務があります。後者は大型の設備投資が無い限り自ら進んで適用する(課税事業者になる)ことはあり得ませんが、前者は強制的に消費税の納付義務が生じてまいります。
こういった場合、例え1期目と2期目の課税売上高が5千万円を大きく超えていても(5億円や10億円でも)、1期目と2期目の基準期間が存在しないことから簡易課税制度の適用は可能ですので思い込みで適用不可と思わない事が重要です。
簡易課税制度を選択するかしないかで何百万円もの税額が違ってくるケースがあります。簡易課税制度適用の検討は是非とも慎重に行ってください。
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