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法人税|平成27年度税制改正大綱の解説(2)~欠損金繰越控除制度の縮減~

2015/01/05

Q 平成27年度の税制改正大綱では繰越欠損金の控除限度額が引き下げられる案が出るという話がありますが、我々のような中小法人にはどのぐらいの影響があるのでしょうか。

 

A 平成26年12月30日に、自由民主党と公明党の両党が平成27年度税制改正大綱(以下、「大綱」)を決定しました。大綱にはご質問のとおり、繰越欠損金の控除限度額は平成27年度に65%、平成29年度には50%に引き下げると明記されていますが、これは資本金が1億円を超える大法人に限った話で資本金1億円以下の中小法人は対象外となります。

 

 大法人には控除限度額の引き下げが行われますがその代り、大法人、中小法人含めて欠損金の繰越期間が現行の9年からさらに10年に延長されます(平成29年度以降)。それにより帳簿書類の保存期間も9年から10年に延長されるようです。

 

 また、赤字が発生しやすいベンチャー企業や、経営再建を行う企業については、雇用やイノベーションを生み出す創業や円滑な事業再生を促進する観点から、7年間は100%控除できる仕組みが新たに導入されるようです。

 

 平成27年度税制改正で法人実効税率の引き下げが予定されているため課税ベースの拡大ということで中小法人にも繰越欠損金の控除限度額引き下げという話も出ていましたが、しばらくは中小法人に至っては今まで通り繰越欠損金を100%使うことができそうです。ですが将来の改正においても更なる法人実効税率の引き下げが予定されているため、欠損金の控除限度額引き下げについては引き続き注視していく必要がありそうです。