GERBERA PARTNERSブログ

法人税|法人の節税保険の行方について

2019/05/01

Q、弊社は、ここ数年業績が好調なこともあり、社長である自身の不測の事態に備えて、流行りの「節税保険」に数本加入しておりました。 しかし、今年の1月頃からその節税保険が販売停止になる等の噂が経営者の間でも非常に活発になっておりました。そもそも節税保険とは何か?実際、その保険は今後どの様な扱いになるのか?を教えていただけますでしょうか。

  A、結論から申し上げますと、まだ正式通達は公表されておりません。平成31年4月11日に国税庁はパブリックコメントを募集しており、令和元年5月10日に締め切りを行うことから、早ければ6月上旬には改正通達が正式に公表される見込みです。  

解説(公開日:2019/05/01  最終更新日:2019/06/22 )

そもそも今回問題視されていた「節税保険」とは、保険期間の前期と後期で保障内容が異なる全損タイプの定期保険でした。

 

ピーク時の解約返戻率が8割超に設定されており,中途解約すれば,払込保険料の多くを解約返戻金として受け取ることができるもので、掛捨ての定期保険と言いながらも,多額の解約返戻金の受取ができた商品でした。

 

しかし、定期保険の中には、死亡保険金額が保険期間中に徐々に上がっていく「逓増定期保険」などがあり、こうした商品は、支払った保険料の80%以上が解約時に「解約返戻金」として戻ってくる仕組みをとっていることから、基本、全額損金計上はできず、一部は資産計上が要求されていました。

 

この隙間をかいくぐった形で新たに商品(今回問題の「節税保険」)を発売したのがN生命でした。

簡単に言いますと、保険期間の前期と後期で違う保障内容に保険を設計することで、全損処理ができ、かつ解約返戻金の高い商品を産みだすことに成功しました。そうしてそのN生命に続き、各社がどんどん全損商品を設計し、ついに御上がお怒りになった、というのが流れです。

 

当初は、この全損商品だけに制限がかかるのでは?という見方もありましたが、結果的に、全損以外の節税保険(解約返戻金が高い保険=いわゆる半損タイプ)にも影響が及びました。

 

■定期保険等の保険料に相当多額の前払部分の保険料が含まれる場合の取扱い

  • ①契約者:法人
  • ②被保険者:役員又は使用人(これらの者の親族を含む)
  • ③保険期間:3年以上
  • ④最高解約返戻率:50%超
 

上記①~④の条件を全て満たす定期保険等の保険料は、次のAからCの最高解約返戻率に応じて損金の額に算入される金額が変わります。

  • A「50%超70%以下」
  • B「70%超85%以下」
  • C「85%超」
 

このABC、3つの区分に基づき、それぞれ資産計上額の計算方法、資産計上期間、取崩期間が異なることになります。

 

具体的な内容は、国税庁より平成31年4月11日に『「法人税基本通達の制定について」(法令解釈通達)ほか1件の一部改正(案)(定期保険及び第三分野保険に係る保険料の取扱い)等に対する意見公募手続の実施について』に記載されています。

 

注意すべき点としては、最高解約返戻率85%超の定期保険等のうち、最高解約返戻率となる期間経過後の解約返戻金が高額なものは、資産計上の期間が延長されるということがあげられます。

 

但し、以下のいずれかに該当する定期保険等は、原則とおり、保険期間の経過に応じて損金に算入が可能です。

  • (1)保険期間が3年未満の定期保険等
  • (2)最高解約返戻率が50%以下の定期保険等
  • (3)最高解約返戻率が70%以下、且つ、年換算保険料相当額(保険料総額÷保険期間)が20万円以下の定期保険等
 

ちなみに、注目されていた今回の改正通達の適用時期については、改正通達の発遣日以後の契約に係る定期保険等の保険料について適用されることが示されているので、同日前の既存契約の遡及適用は今回もありませんので、そこだけはご安心ください。

 

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