2023/11/22
A、ふるさと納税とは、『地方創生』の一環を担って2008年から始まった制度です。地方の人口減少による税収の減少への対応や、地方と大都市の格差是正を目的としています。 名目は「ふるさと納税」ですが、本来の建付は『寄付金』です。寄付をした額により、所得税や住民税の控除を受けることができます。また、返礼品を得られることも魅力の一つです。 総務省より地方自治体へふるさと納税の見直しが言い渡され、その期間開始が令和5年10月1日とされています。見直しをされることによって何が影響していくのか、解説します!
ふるさと納税とは、『地方創生』の一環を担って2008年から始まった制度です。地方の人口減少による税収の減少への対応や、地方と大都市の格差是正を目的としています。
そんなふるさと納税には3つの大きな意義があります。
- 第一に、納税者が寄付先を選択する制度であり、選択するからこそ、その使われ方や考えるきっかけとなる制度であること。それは、税に対する意識が高まり、納税の大切さを自分ごととしてとらえる貴重な機会になります。
- 第二に、生まれ故郷はもちろん、お世話になった地域に、これから応援したい地域へも力になれる制度であること。それは、人を育て、自然を守る、地方の環境を育む支援になります。
- 第三に、自治体が国民に取組をアピールすることでふるさと納税を呼びかけ、自治体間の競争が進むこと。それは、選んでもらうに相応しい、地域のあり方をあらためて考えるきっかけへとつながります。
(引用元:ふるさと納税の理念(総務省))
ふるさと納税は、自治体と納税者の両者が共に高め合う関係で、一人ひとりの貢献が地方を変え、より良い未来をつくっていく、そんな思いがこもった取り組みとなっています。
ふるさと納税が素敵な取り組みということがご理解いただけたと思いますが、名目は「ふるさと納税」なだけで、本来の建付は『寄付金』です。理念には共感できるけど、寄付をする余裕がないという方に朗報です。
「ふるさと納税」により寄付をした額によって、所得税や住民税の控除を受けることができます。「ふるさと納税」という名の『寄付金』で、正確に言うと「納税」をしているわけではありませんが、所得税の所得控除や、住民税の税額控除が受けられることから「ふるさと納税」という名前になったのだと考えられます。
ふるさと納税で寄付をした額の2,000円が自己負担となり、残りの金額が税額控除になります。ただし、税額控除にも上限があり、その上限は所得や扶養の人数によっても変わりますので確認が必要です。
(参考:全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安(総務省))
そして、ふるさと納税は返礼品を受けられることも魅力の一つです。ふるさと納税で寄付をした額の3割相当のものを自身で選ぶことができます。返礼品を選ぶ作業が、家族との時間・会話を増やしてくれます。
また、返礼品を贈り物として活用することもできます。遠く離れた両親に、返礼品を贈ることで一種の親孝行にもなるかもしれません。
そんな魅力たっぷりなふるさと納税ですが、総務省よりふるさと納税を財源として受け取る地方自治体へ、見直しが言い渡されました。その開始期間が令和5年10月1日とされています。
- ① 募集に要する費用について、ワンストップ特例事務や寄付金受領証の発行などの付随費用も含めて寄付金額の5割以下とする(募集適正基準の改正)
- ② 加工品のうち熟成肉と精米について、原材料が当該地方団体と同一の都道府県内産であるものに限り、返礼品として認める(地場産品基準の改正)
(引用元:ふるさと納税の次期指定に向けた見直し(総務省))
この見直しにより、ふるさと納税として寄付をする側に影響があると考えられるものは、同じ返礼品の寄付金額が以前より1,000円前後増えたり、反対に同じ寄付額でも返礼品の量が減ったりすることが考えられます。
上記の影響を考え、「令和5年分のふるさと納税は令和5年9月中までに行いましょう!」ということが言われていました。しかし、過ぎてしまったものは仕方がありません。令和5年分のふるさと納税は令和5年12月31日までですので、今からでも遅くないです。
自分の所得や控除を知れるきっかけにもなりますし、家族での会話が増え、親孝行にも成りえる「ふるさと納税」をまだの方は検討してみてはいかがでしょうか。
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