2023/07/24
A、あまり見られないケースではありますが、税務においてはそもそも来日がない訳ですから、日本国内源泉所得は発生しないので、源泉徴収は不要でそのまま支払っていただいて構いません。ただ、給料支払自体が妥当かどうかを税務当局から問われる可能性が高いため、貴社での業務とそれによる現地雇用が妥当かどうかの説明をできる様にしておくことと、マレーシアでの勤務実態が確認できる資料等を取っておくべきかと考えます。
解説するにあたり、今回は主に日本の税務面だけからという事を強調させていただきます。税法以外の法律については、社会保険労務士の先生や行政書士の先生等へ確認していただきます様、お願い致します。
日本の所得税法は、国内において勤務したことに基因する報酬を国内源泉所得としています。そのため、今回は日本での勤務実態が一切ないので、日本にそもそも課税権はありません。(例えば、日本の役員が海外へ赴任し、日本の会社から役員報酬が支払われる場合は、国外勤務であっても国内における勤務に対する役員報酬という扱いになります。日本からすれば非居住者で国外勤務ですが、国内源泉所得として扱います。混同しない様にしてください)
この方は、勤務地でのマレーシアでのみ課税権が発生しますので、マレーシアでの申告納税が必要となる訳ですが、マレーシアでの申告納税については、マレーシアにおける専門家へ確認をしていただければと思います。
話は変わりますが、仮に来日してくる場合は、当然日本に課税権がでてきますので、3ケ月間の勤務ですと非居住者に対して支払う給与(人的役務の提供に関する報酬)に該当し、国内源泉所得となり、支払時に20.42%の源泉徴収及び納税が必要となります。
ただし、その給料等の支払いを受ける方が、学生(学校教育法第1条)や事業などの修習者等である場合は、租税条約により課税関係の異なる時が多々ありますので、最終的には租税条約をきちんと確認いただき、貴社の顧問税理士先生と打合せをしていただければと思います。
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