2016/02/01
Q 消費税の軽減税率導入にともなって事業者ではどのような経理処理が求められてくるのでしょうか。
A 平成28年度の税制改正大綱において、消費税の軽減税率制度が平成29年4月1日から導入されることとなりました。
これに併せて平成33年4月1日より「適格請求書等保存方式」(いわゆるインボイス制度)も益税防止の観点から導入されることとなりました。以下では平成29年4月1日からの軽減税率導入後から本格的なインボイス制度導入によりどのような影響があるか見ていきます。
平成29年4月1日から導入される軽減税率制度は事業者負担などを考慮して4年間の経過措置がとられ簡素な経理方法が設けられることになりました。
「区分記載請求書等保存方式」とよばれるこの経過措置では、現行の税額計算の方法を維持し税込価格を割り戻す方法(例えば108円×8/108)は現状通りとされることになります。
また、請求書等の発行義務や請求書等の写しの保存義務を課さない他、罰則も行わない点は現行制度のままとなります。
現行制度から変更されたものは請求書等への記載事項で、具体的には、課税仕入が軽減税率対象品目に係るものである場合には、「軽減対象課税資産の譲渡等である旨」及び「税率の異なるごとに合計した対価の額」を記載することになります。
また、「区分記載請求書等保存方式」によっても売上を税率ごとに区分することが困難な事業者を対象として3つの特例計算方法が用意されることになり、(1)卸売業及び小売業に係る課税仕入等に占める軽減対象課税資産の譲渡等にのみ要する者の割合を用いる、(2)通常の事業を行う連続する10営業日の課税資産の譲渡等に占める軽減対象課税資産の譲渡等の割合、(3)軽減課税対象資産の譲渡等の割合を50%のいずれかを用いて当該期間の売上税額を簡便に計算することを認めています。これは、簡易課税制度と同様、2期前の課税売上高が5000万円以下の事業者について平成33年3月末までの4年間の間、適用可能となっています。
平成33年4月1日以降は「適格請求書発行事業者登録制度」を創設。原則として仕入側は「適格請求書発行事業者」から交付を受ける「適格請求書」(仮)等を保存しなければ仕入税額控除が認められなくなります。
これは、課税事業者でなければ、「適格請求書発行事業者」になれないため、免税事業者制度も存続されるが、免税事業者から購入した物等については仕入税額控除できない為、今後は免税事業者が取引対象から排除される可能性があることを示唆しています。
免税事業者は取引から排除される可能性や管理コスト等も含めて課税選択の要否を迫られることとなるでしょう。
課税選択のシミュレーションをはじめ軽減税率に関するご相談がありましたら是非ガルベラ・パートナーズグループへお問い合わせください。
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