2023/03/28
A、控除する必要はありません。「同じ疾病」により検査費等を支払ったとしても、その補填金が入院費のみに係る給付金の場合は、今回入院したことによる医療費の支払ではないことから、支払った医療費の総額から控除する必要はありません。
医療費控除を適用する場合、保険契約等に基づく医療費の補填があれば、医療費合計額からその補填金を差し引いて計算することになります。この計算は、補填される医療費ごとに行いますが、同一疾病内の一部の医療費に対してのみ補填金がある場合も考え方は同じになります。
医療費控除の計算は、「実際に支払った医療費の合計額-保険金等の補填額-(10万円又は総所得金額200万円未満の場合は総所得金額等の5%)」となるのはご承知の通りです。
その補填金の控除は、その補填の対象とされる医療費ごとに行うことから、支払った医療費を上回る部分の補填額は、他の医療費から差し引く必要はありません。
支払った医療費を超える補填金(国税庁)
そして、勘違いしやすい事項ではありますが、この考えは「同一疾病内」でも同じ考えになります。要するに、補填金の原因が治療費であったら実際にかかった治療費からだけ差引しますし、補填金の原因が入院費であったら実際にかかった入院費からだけ差引計算を行います。
例えば、同じ疾病により治療費(2万円)、手術費(15万円)、入院費(10万円)を支払い、入院給付金15万円を受け取った場合で考えてみます。
補填金15万円はあくまでも入院費に係るものですから、入院費を上回る部分の補填金5万円(=15万円-10万円)を差し引く必要がありません。
従いまして、この様なケースの医療費控除の適用金額は7万円(=27万円-10万円-10万円)となります。
この辺りは専門家でも間違えやすい事項なのでご注意ください。
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