GERBERA PARTNERSブログ

所得税|会社が従業員に支給する昼食の給与課税について

2024/07/04

Q、令和6年の税制改正で、接待交際費の5千円基準が1万円へと引きあがりましたので、会社の損金枠が増えて、当社としても大助かりです。最近の物価上昇で、とてもじゃないですが、5千円基準では厳しい状態が続いていました。
それはそうと、当社は以前から従業員に対しても昼食代の補助を行っておりますが、こちらの税制基準についても当然改正されたという事でよかったでしょうか?

A、残念ながら、昼食代補助に関する税制改正は行われておりません。物価上昇と言うのなら、こういったことの改正も考えていただきたいものです。

 

解説(公開日:  最終更新日:

 

急激な物価上昇を受け、福利厚生として従業員の昼食を補助する企業が増加しています。会社が従業員に食事を現物支給する場合、一定の要件を満たせば給与課税されません。

 

非課税となる要件

  1. 従業員が食事代の半分以上を負担していること
  2. 会社の補助額が1か月あたり税抜3,500円以下であること

上記の要件を満たす場合、食事の現物支給は経済的利益がないものとして非課税となります

 

ご質問の接待交際費基準は、経費の枠が増えるため会社としての納税は下がりますが、代金を受領する相手側の売上増が予想されます。このため、こちらのほうで税収増が確保できます。

ご質問の昼食代補助についても会社が昼食業者へ支払う金額自体は増えてきています。当然この昼食業者の売上も増えて税収増が予想されますが、この昼食代の会社負担について、従業員へ給与課税されないためには、税務上の上記に掲げる①及び②のルールを守る必要があります。

現状では会社の負担額について、税制改正はないので、単純に従業員の自己負担を増やさないといけません。従業員の自己負担を増やそうとするのなら、会社が支給する従業員給料の額を上げていかないといけません。ただ、従業員の給料が増えるのなら所得税の税収増も期待できます。

それにもかかわらず、ご質問部分の改正がされないのは何故か。色々な思惑があると思わざるを得ません。繰り返しになりますが、残念ながらいまのところ、本件ご質問の改正はされておりません。

 

金銭支給の場合

従業員が飲食店で食事代を支払い、後で会社と実費精算する場合は金銭支給とみなされ、上記の要件を満たしていても補助額全額が給与課税の対象となります。

ただし、会社が特定の飲食店と契約し、直接食事代を支払う場合は現物支給と同様の扱いとなり、要件を満たせば非課税となります。

 

残業や宿直時の食事

残業や宿直等の時間外勤務に伴う食事の現物支給は、実費弁償的なものとして従業員の負担額がない場合でも非課税となる取扱いがあります。

   

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