2016/04/11
Q 当社は残業代の未払いを一括で支払うことになりました。その時の源泉徴収について教えて下さい。
A 役員や使用人に毎月支払われる給与等が、定められた支給日に支払われずに未払いとなる場合、源泉徴収は給与等を実際に支払う際に行いますので、原則として支払われるまでは源泉徴収は行われないこととなります。
ただし、役員に対する賞与は、支払の確定した日から1年を経過した日までにその支払いがされない場合には、その1年を経過した日において支払があったものとみなされて源泉徴収を行います。
給与等の一部を支払い、残額が未払いとなる場合には、支払うべき給与等の金額に対する所得税のうち、実際に支払う給与等の金額に対応する部分の所得税及び復興特別所得税を源泉徴収する必要があります。
具体的には、まずその月に支払うべき給与等の金額を「給与所得の源泉徴収税額表」に当てはめて所得税及び復興特別所得税の額を求めます。
次に、求めた所得税及び復興特別所得税の額に、支払うべき給与等の金額を分母とし、実際に支払った給与等の金額を分子とした割合を掛けます。
このようにして算出した所得税及び復興特別所得税の額が、実際に支払った給与等から源泉徴収する税額です。
また、年末調整を行う際に未払が残っている場合は、その未払となっている給与等の金額も年間の給与等の支払金額の総額に含めるとともに、その未払給与等に対応する所得税及び復興特別所得税の額も年間の所得税及び復興特別所得税の額の総額に含めたところで年末調整を行います。
この場合、残業手当の課税年分ですが、本来各支給日に支払うべき残業手当が一括して支払われたものと認められますので、本来支給すべきであった支給日の属するそれぞれの年分の給与所得となります。
なお、給与規定等の改訂が過去に遡って実施されたため、残業手当の差額が一括支給されるような場合には、その差額について支給日が定められているときはその支給日、支給日が定められていないときはその改訂の効力が生じた日となります。
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