2016/08/22
Q 当社は小売業を営んでいますが、福利厚生の一環として、従業員に自社商品を半額で販売する予定です。その場合に税務上の問題はありますか。
A 従業員に対して値引き販売する場合には、従業員は一般に販売する価額よりも低い価額で購入することができるため、その差額分だけ利益を受けていることになります。
この値引き販売は、会社から従業員に与えられた経済的利益になりますので、現物給与として課税されることになります。
ただ、次の要件を満たす場合には、課税しなくてもよいものとして扱われます(所得税法基本通達36-23)。
(1)値引き後の販売価額が取得価額以上であり、かつ、通常の消費者に対する販売価額のおおむね70%未満でないこと
(2)値引き率が従業員に対して全員一律で適用されているか、または、従業員としての地位や勤続年数等など合理的なバランスが保たれる範囲内の格差で適用されていること
(3)購入数量は、自己の家事のために通常要する程度の範囲内であること
今回の場合は、半額で販売するということで、上記(1)の要件を満たしておりませんので、従業員の方に対する現物給与として扱われ、所得税の課税対象に含まれてしまいます。
福利厚生の一環として従業員への値引き販売を行う場合には、所得税の課税対象にならないためにも、通常の販売価額の70%相当額以上を守った方が良いと思われます。
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