GERBERA PARTNERSブログ

所得税|配偶者が株式取引をしています。 配偶者控除への影響はありますか?

2017/11/27

Q、配偶者が株式取引をしています。配偶者控除はどうなりますか?

 

A、主婦(主夫)のように配偶者の方の扶養に入っている方は、株式投資の利益に対する税金の申告方法によっては、そうした「扶養」に関する部分に影響が及ぶことがあります。

「源泉徴収あり」の「特定口座」で、かつ確定申告をしなければ、合計所得金額に含めなくて良いことになっていますので、配偶者控除への影響はありません。

一方「源泉徴収なし」を選択、もしくは「一般口座」で取引をされており、その年の合計所得が38万円より多かった場合には配偶者控除の適用を受けることができません。

 

解説(公開日:2017/11/27)

 

株式投資と税金の関係

株式投資における税金は、利益部分の20%となっています(復興特別所得税を含めると20.315%)。基本的には申告分離課税となっているので、利益の20%を支払えば課税関係は終了となります。

ただし、この利益部分は所得(収入)として扱われることになり、結果として扶養の基準をオーバーしてしまった場合には扶養から外れてしまうことがあります。

 

株譲渡益が所得(収入)に加算されない方法

証券会社の口座を「特定口座(源泉徴収あり)」にしておけば、株の利益に対する税金を証券会社が自動で計算して利益から天引きして納付までしてくれます。
この場合の所得は銀行預金の利子と同様に「源泉分離課税」という扱いになり、いくら株で儲けていても、所得には加算されず、扶養からも外れることはありません。
ただ、上記であげた基準を超えないのであれば源泉徴収なしを選択したほうが得になります。

 

 

株式投資の規模によっては「源泉徴収なし」も要検討

 

年間の株の儲け別に税金の扱いを以下にまとめました。

源泉徴収あり 源泉徴収なし
年間38万円以下の所得 総額の20%分が
課税される
非課税(基礎控除内)
年間38万円超の所得 38万円を超えた金額の
20%分が課税される
※配偶者の扶養から外れる

ポイントは儲けが年間38万円以下の場合です。

源泉徴収ありの場合は源泉分離課税として一律で20%の税率で税金がかかりますが、源泉徴収なしの場合は申告分離課税となります。

申告をする際、年間38万円の基礎控除が認められています。

 

そのため「株の儲け-38万円(基礎控除)」の範囲内であれば税金はゼロになります。

そのため、株式投資はするが、収入が少ないという方は源泉徴収なしの口座を使ったほうが税金分だけ得をできるということになります。

 

こちらはパート収入のようなほかの収入がないケースを前提としています。年間で65万円以上のパート収入(給与収入)がある場合には金額が変わってきます。

また、2018年1月1日より配偶者控除が改正され、世帯主の所得金額によって配偶者控除の金額や控除を受けられる範囲が変更となります。配偶者控除の改正内容については、【 平成30年1月1日から配偶者控除及び配偶者特別控除が改正されます。 】をご覧ください。

 

まとめ

 

投資金額が少額で年間に38万円の利益なんて出ない。という方については源泉徴収なしを選択しておけばよいかと思います。

一方で、数百万円単位で株を保有している方は年間の利益が38万円を超える可能性も高いと思います。そういう方はリスクを予防する意味でも源泉徴収ありを選択しておくほうが良いでしょう。

また、今回は主婦(主夫)のケースを取り上げましたが、他にもサラリーマン、個人事業主、学生といった立場によって株の税金が与える影響は違います。

個別の状況に応じて、検討する必要があります。