2018/06/06
森林環境税は、地球温暖化防止や間伐、再造林などの森林整備等に伴う森林吸収源対策を目的とした財源確保のため、2018年度の税制改正大綱にて導入が決定しました。
日本の国土面積の3分の2は森林であり、そのうち約4割はスギやヒノキ等の人工林が占めています。
戦後より植林(山や野に苗木を植えて林に育てること)した木々が伐採期を迎えていますが、零細的な所有者も多く、未だに利用されていない森林等が多く残っています。
森林整備等については、以前より対策が急務となっていましたが、財源確保が難しく、安定的な財源を確保することが課題となっておりました。
この森林環境税は、現在個人で住民税を納めている約6,200万人全ての国民が対象となっており、1人1人から1,000円ずつ徴収していくと年間で約600億円の税収が確保されます。
この税収を国が集めて特定財源とし、森林整備や保全を必要とする各市町村に配布されます。
配布を受けた市町村はこの税収を森林整備、人材育成、道路整備、機械購入などに運用していく流れとなります。
ここで、森林環境税は2024年度からスタートするとお伝えしましたが、実際は同様の目的のもと、全国各地の県で既に導入されています。
最初に導入を始めたのは高知県で、2003年からスタートし、今では全国36県・1政令都市で実施されています。
高知県は2015年度の決算で、この森林環境税による税収を約1.7億円確保出来たことを報告しています。
神奈川県においても同じく2015年度に約38億円の税収確保に成功しています。
今回の2024年度の森林環境税との相違点としては、個人だけでなく、法人も徴収対象としていることです。
法人の場合、一定の法人税に5~11%を上乗せる形で森林環境税を徴収しています。
この様な形で徴収した森林環境税は多くの自治体で森林整備等や県独自の事業に有効活用されています。
ただし、この森林環境税にはまだ問題点も多く、一番の問題は既に導入されている県にとっては、新しくスタートする森林環境税との二重課税の問題があります。
今後、この二重課税の問題がどの様に調整されていくのか見守っていきたいと考えています。
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