GERBERA PARTNERSブログ

外国人雇用|外国人向けの労働条件通知書は、日本語で交付すればよいですか?

2018/08/20

Q、このたび、高度人材として中国人を採用しようと考えています。採用しようとしている方の技術力は高いのですが、日本語のレベルはあまり高くありません。雇用契約を結ぶにあたり、日本語の労働条件通知書を交付しても内容が分からないのではないかという危惧があります。中国語の労働条件通知書を交付する必要がありますか?

 

A、交付する労働条件通知書の言語に関する法律の決まりはありません。
外国人の方にも日本語の労働条件通知書を交付すれば、法律違反にはなりませんが、受け取った人が内容を読むことができなければ、実際には、労働条件通知の意味をなしません。厚生労働省の指針においても、主要な労働条件の内容について外国人労働者が理解できるよう書面を交付することが求められています。外国人労働者向けに英語や中国語などの外国語の労働条件通知書を用意することを検討しましょう。

 

解説(公開日:2018/08/20  最終更新日:2018/08/21 )

 

外国人労働者の数は、2008年の48.6万人から2017年の127.9万人(日本の雇用者総数の約2%)へと大きく人数が増加しています。

外国人の高度人材の受入れに関しては、政府の施策で「第9次雇用対策基本計画」(1999年閣議決定)において、経済社会の活性化や一層の国際化を図る観点から、専門的、技術的分野の外国人労働者の受入れをより積極的に推進するとの方針が示され、それ以降、累次の受入促進のための施策がなされてきました。海外の高い経済成長率や高いマーケットの伸びを自社のビジネスチャンスとして捉えて、Eコマースによる自社商品の海外販売、そして将来的には、海外での販売ルート開拓や海外支店設立のため、その中核的な人材を育成するために外国人を従業員として雇用しようという企業も増えています。

 

一方で、外国人労働者と雇入れた企業の間でのトラブルが増加しています。

東京都の行っている外国人向けの労働相談の件数は、2016年度は2,597件となり、前年度比で44.4%増加しています。相談の内容は、労働条件に関するものが2,750件(70.3%)を占めており、言語の違いによる意思疎通の問題、気質及び労働慣行等の相違を発端としてトラブルとなっているケースが多いとされています。

 

日本の労働法や労働慣行を知っている外国人労働者の方は多くはありません。日本人にとって当たり前のことであっても、外国人からすると常識から外れていることもあります。

会社と外国人労働者との間で、求めている能力や業務の内容、労働条件を曖昧にしたまま、雇用契約を締結すると、労使双方の考えに行き違いが生じやすくなります。労使の信頼関係が損なわれれば、労働者のやる気の後退や、労働者の退職につながります。問題が大きくなれば訴訟に発展することもあります。外国人労働者に十分に能力を発揮して成果をあげてもらうために、雇い入れの前にしっかり話し合い、会社が何を期待しているのか、給料や労働時間などの条件はどのようになっているのかなど、しっかりと伝えるようにしましょう。このために、労使双方が歩み寄って理解しあうための環境づくりが必要です。

 

<外国人向け労働者のための環境づくり>

 

(1) 労働条件通知書の母国語での作成

 

「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」において、「事業主は、外国人労働者との労働契約の締結に際し、賃金、労働時間等主要な労働条件について、当該外国人労働者が理解できるようその内容を明らかにした書面を交付すること。」とされています。

 

労働基準法に定める労働条件の明示を雇用する従業員の方が理解できる言語で作成した文書の交付により行うことで、「聞いていたことと違う」、「言った」、「言わない」等のトラブルを防ぐことができますし、外国人労働者側からの「思っていたことと違う」というミスマッチも防ぐことができます。

 

厚生労働省では、外国人労働者向けモデル労働条件通知書のPDFファイルを作成しています。

 

以下のサイトに、英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、タガログ語、インドネシア語、ベトナム語の労働条件通知書がアップロードされています。

 

【参考】厚生労働省ホームページ

労働基準法関係

 

当事務所では、オリジナル版の英語と中国語の労働条件通知書を販売しています。社会保険労務士とネイティブの外国人によって作成した自然な文章で、労働基準法の定める労働条件明示の項目のみならず、実務に即した内容を追加しています。

ご依頼に応じて貴社独自のアレンジも可能です。アレンジの費用も込みで日英版、日中版とも1件につき5万円(税別)です。

 

(2) 就業規則の英語化

外国人労働者に安心感をもって働いてもらうため、職場の基本ルールである就業規則を国際社会の共通語である英語に翻訳しておきましょう。もちろん、多言語に翻訳が可能であれば行うに越したことはありません。

就業規則以外のルールや協定についても、必要に応じて英語化をしたり、英語での説明を行ったりすることで、日本語が読めないためにルールを知らない労働者が出てしまうことのないようにしましょう。

 

厚生労働省のモデル就業規則は、日本語のほか、英語、中国語、ポルトガル語、ベトナム語版が用意されています。

 

【参考】厚生労働省ホームページ

For Foreign Workers in Japan ( Information on Labour Standards )

 

モデル就業規則は本文だけでなく解説も載っています。

就業規則は会社ごとそれぞれであるため、このまま使うことは難しいと思いますが、外国語で説明する際の参考としたり、自社の就業規則のポイントのみを翻訳する場合などには役立てられるものと思います。

 

貴社独自の就業規則を英語又は中国語に翻訳したいという場合には、当事務所にご相談ください。内容とボリュームに応じて個別にお見積りいたします。

 

弊社、社会保険労務士法人ガルベラ・パートナーズでは、日常的なちょっとしたご相談から労務問題やコンプライアンス対策まで、幅広く承っています。

お困りのことがありましたらお気軽に弊社の社会保険労務士までご相談ください。

 
 


 
 

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