GERBERA PARTNERSブログ

労務管理|裁量労働制のみなし労働時間

2018/11/30

Q、裁量労働制を導入することにより、実際の労働時間にかかわらず、あらかじめ定めたみなし労働時間だけ働いたものとすることができると聞きました。このみなし労働時間は、どのような時間数でも設定することができるのですか?例えば1日12時間とした場合、何か問題はありますか?


 


A、裁量労働制において定められるみなし労働時間数に直接の制限はありませんが、36協定との関係上、実質的には上限があります。例えばみなし労働時間を12時間とした場合、通常1日あたり4時間の時間外労働が自動的に発生することとなり、仮に1か月の所定労働日数が22日である場合、月の時間外労働は合計88時間になります。これは、時間外労働の限度に関する基準(以下、「限度基準」という。)により36協定に定めることができる限度とされている1か月45時間を大幅に上回るため、一定の業種を除き、基本的にはこのような運用をすることはできません。なお、36協定に特別条項を設けることによって限度基準を上回る時間外労働を行わせることもできますが、それも1年のうち6回までに限られます。

解説(公開日:2018/11/30)

裁量労働制とは、業務の性質上、その業務の遂行の方法や時間の配分などについて、大幅にその従業員の裁量に委ねる必要があるため、会社が具体的な指示をせず、労働時間については労使協定において定められた時間労働したものとみなす制度です。

 

裁量労働制には、専門業務型裁量労働制と企画業務型裁量労働制の2種類あり、これらは対象業務や導入手続等に違いがあるものの、「労働時間については労使協定において定められた時間労働したものとみなす」という点は共通です。

 

上記の回答のように、(一般的な、いわゆる正社員の働き方を想定して)みなし労働時間を12時間と定めた場合、限度基準を超え、36協定を遵守することができなくなります。したがって、36協定との関係上、実質的には10時間程度がみなし労働時間の限度になります。

 

みなし労働時間を10時間とした場合、仮に1か月の所定労働日数が22日とすると、月の時間外労働は44時間(2時間×22日)となり、1か月45時間の限度基準内での運用が可能となります。曜日の巡りなどで1か月23日以上の所定労働日数の月があったとしても、1年のうち6回までであれば、所定の手続きのもと特別条項による限度時間の延長によって対応することもできます(ただし、上記の例において、仮に所定労働日数23日以上の月がなかったとしても、限度基準において定められている1年360時間の限度は超えることが見込まれるため、特別条項自体の必要性には留意しなければなりません。)。

 

なお、以下の事業または業務においては、「1か月45時間」「1年360時間」等の限度基準は適用されません(※今後、変更の予定があります。)。

①工作物の建設等の事業(事業そのものが適用除外)

②自動車の運転の業務

③新技術、新商品等の研究開発の業務

④厚生労働省労働基準局長が指定する事業または業務(この場合は1年間の限度基準は適用)

 

これらの事業または業務においては、36協定に定めることができる時間外労働時間数に上限がないことから、これらの事業又は業務に該当し、かつ裁量労働制の適用対象となる業務に従事する従業員(建設業における一部の業務や、新技術・新商品等の研究開発業務等が想定されます)については、裁量労働制におけるみなし労働時間数にも実質的な上限がなくなるということになります(当然のことながら、36協定に定めることができる時間数に制限がないというのみであり、実際に36協定に定めた時間数は、常に遵守しなければならず、みなし労働時間もその範囲内で決定することになります。)。

 

◆働き方改革関連法による影響

働き方改革に伴う法改正により、上記①~④のような、限度基準が適用されない事業または業務のうち、「③新技術、新商品等の研究開発の業務」を除く事業または業務においては、平成36年4月1日以降、それぞれ時間外労働の上限規制が設けられる予定です。これにより、裁量労働制におけるみなし労働時間にも影響が生じることに留意する必要があります。

 

社会保険労務士法人ガルベラ・パートナーズでは、労務管理のご相談に実務上の観点からお答えしております。どうぞお気軽にご相談ください。

 
 


 
 

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