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労務管理|メール等で労働条件の明示を行うときの留意点

2019/04/10

Q、2019年4月から、労働条件の明示をメールやFAX、SNSのメッセージ機能等でもできるようになったと聞きました。実際に書面を交付せず、これらの手段で労働条件を明示するとき、何か気を付けることはありますか。


 

A、メールやFAX、SNSのメッセージ機能等で労働条件を明示することができるのは、従業員からの希望があった場合に限られます。また、これらを出力することによって書面を作成できるものに限られます。

 

解説(公開日:2019/04/10 最終更新日:2019/04/23)

 

◆労働条件の明示◆

会社は、労働契約の締結時に、従業員に以下の労働条件を明示しなければなりません。

 

  1. ①労働契約の期間
  2. ②有期労働契約の更新の基準
  3. ③就業場所・従事すべき業務
  4. ④始業・終業の時刻、所定労働時間超え労働の有無、休憩時間、休日、休暇、2交代制等に関する事項
  5. ⑤賃金の決定・計算・支払方法、賃金の締切・支払時期、昇給に関する事項
  6. ⑥退職(解雇を含む)に関する事項
  7. ⑦その他(退職手当、賞与、従業員に負担させるべき費用、安全衛生に関する事項等)

 

このうち、①~⑥の事項については、原則として書面の交付によって明示しなければならないものとされています。

 

◆書面によらない明示方法◆

従業員が希望した場合においては、上記の原則として書面の交付によって明示しなければならない事項であっても、以下のような方法で明示することができます。

  1. ①Eメール、Webメールサービス

    <例>Yahoo!メール、Gmail 等
  2. ②FAX
  3. ③SNSメッセージ機能

    <例>LINE、メッセンジャー 等

(以下、上記①~③をまとめて「メール等」といいます。)

 

ただし、これらは出力することによって書面を作成できるものでなければなりません。したがって、メールやSNSメッセージ機能を用いる場合は、書面を添付ファイルにして送付することを想定しているものと考えられます。なお、従業員の個人的な事情によらず、一般的に出力可能な状態であれば、出力して書面を作成できるものと認められます。

 

◆注意点◆

従業員が希望していないにもかかわらず、会社から一方的にメール等によって労働条件を明示することはできません。トラブル防止のためにも、メール等によって労働条件を明示する際には、従業員がそれを本当に希望しているのか、個別かつ明示的に確認しておくことが望ましいといえます。従業員の希望がないにもかかわらずメール等のみでしか労働条件を明示していなかった場合は、労働基準関係法令違反となるため、注意が必要です。

 

また、明示した内容が実際に到達したか従業員に確認を取ること、明示の日付・送信者・会社名等を併せて記入しておくことも大切です。

 

メール等を用いた労働条件の明示は、会社にとっても従業員にとっても便利な側面があることは間違いないでしょう。しかし、適切な運用がなされなかった場合、トラブルの原因となりかねません。従業員の希望に応じた、限定的な対応として運用することが望ましいと考えられます。

 

社会保険労務士法人ガルベラ・パートナーズでは、労務管理のご相談に実務上の観点からお答えしております。どうぞお気軽にご相談ください。

 
 


 
 

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