2019/05/29
A、「労働時間の状況」とは、従業員がいかなる時間帯にどの程度の時間、労務を提供し得る状態にあったかをいいます。会社は、従業員の健康確保措置を適切に実施する観点から、客観的な方法によって、労働時間の状況を把握しなければなりません。
2019年4月に改正された労働安全衛生法第66条の8の3において、会社は、従業員の健康確保措置を適切に実施する観点から、客観的な方法その他適切な方法によって、従業員がいかなる時間帯にどの程度の時間、労務を提供し得る状態にあったか(労働時間の状況)を把握する必要がある旨規定されました。
これまでも労働時間の適正な把握についてはガイドラインで一定の基準が設けられていましたが、根拠としては曖昧であったことから、この度法制化されました。
労働時間の状況を把握する方法としては、以下の方法が原則となります。
これらの客観的な記録により、従業員の日ごとの出退勤時刻や入退室時刻の記録を確認しなければなりません。
労働時間の状況を把握しなければならない従業員は、高度プロフェッショナル制度が適用される従業員を除く、全ての従業員です。以下の従業員も対象となるため、注意する必要があります。
なお、直行直帰の場合等、やむを得ず上記の客観的な方法により労働時間の状況を把握し難い場合においては、従業員からの自己申告によって把握することが考えられます。自己申告による把握を行う場合には、以下の措置を全て講じる必要があります。
労働時間の状況の把握は、従業員の健康管理の第一歩であると同時に、最も重要な措置です。不適切な社内ルールによって十分な把握が行われていないケースが散見されますが、労働時間の状況の把握の必要性を再認識し、適切に行われるように改革していかなければなりません。
社会保険労務士法人ガルベラ・パートナーズでは、労務管理のご相談に実務上の観点からお答えしております。どうぞお気軽にご相談ください。