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労務管理|「労働時間の状況の把握」とは、何をすればよいのか

2019/05/29

Q、最近、「労働時間の状況の把握」という言葉が聞かれるようになりましたが、労働時間の状況とは何でしょうか。会社はどのような対応をしなければならないのでしょうか。


 

A、「労働時間の状況」とは、従業員がいかなる時間帯にどの程度の時間、労務を提供し得る状態にあったかをいいます。会社は、従業員の健康確保措置を適切に実施する観点から、客観的な方法によって、労働時間の状況を把握しなければなりません。

 

解説(公開日:2019/05/29 最終更新日:2019/05/27)

 

2019年4月に改正された労働安全衛生法第66条の8の3において、会社は、従業員の健康確保措置を適切に実施する観点から、客観的な方法その他適切な方法によって、従業員がいかなる時間帯にどの程度の時間、労務を提供し得る状態にあったか(労働時間の状況)を把握する必要がある旨規定されました。

これまでも労働時間の適正な把握についてはガイドラインで一定の基準が設けられていましたが、根拠としては曖昧であったことから、この度法制化されました。

 

労働時間の状況を把握する方法としては、以下の方法が原則となります。

  1. ◆タイムカードによる記録
  2. ◆パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間
  3.  (ログインからログアウトまでの時間)の記録
  4. ◆会社(会社から労働時間の状況を管理する権限を委譲された者を含む。)の現認等による記録

これらの客観的な記録により、従業員の日ごとの出退勤時刻や入退室時刻の記録を確認しなければなりません。

 

労働時間の状況を把握しなければならない従業員は、高度プロフェッショナル制度が適用される従業員を除く、全ての従業員です。以下の従業員も対象となるため、注意する必要があります。

  1. ◆管理監督者等
  2.  (時間外・休日労働に対する割増賃金の支払義務のない従業員も対象)
  3. ◆事業場外みなし労働時間制の適用者、裁量労働制の適用者
  4.  (みなし労働時間に基づき割増賃金の算定をする従業員も対象)
  5. ◆研究開発業務に従事する従業員
  6.  (時間外労働の上限規制が適用されない従業員も対象)
  7. ◆派遣労働者
  8.  (直接雇用していない従業員も対象)
  9. ◆短時間労働者・有期契約労働者

 

なお、直行直帰の場合等、やむを得ず上記の客観的な方法により労働時間の状況を把握し難い場合においては、従業員からの自己申告によって把握することが考えられます。自己申告による把握を行う場合には、以下の措置を全て講じる必要があります。

 

  1. ①自己申告制の対象従業員に対する十分な説明。
  2. ②実際に労働時間の状況を管理する者に対する十分な説明。
  3. ③自己申告で把握した労働時間の状況が、実際の労働時間の状況と合致しているかについて、必要に応じた実態調査と補正。
  4. ④自己申告した労働時間の状況を超えて事業場内にいる時間等について従業員に報告させる場合、その報告が適正であるかの確認。
  5. ⑤自己申告できる時間に上限を設ける等の、適正な自己申告を阻害する措置を講じないこと。

 

労働時間の状況の把握は、従業員の健康管理の第一歩であると同時に、最も重要な措置です。不適切な社内ルールによって十分な把握が行われていないケースが散見されますが、労働時間の状況の把握の必要性を再認識し、適切に行われるように改革していかなければなりません。

 

社会保険労務士法人ガルベラ・パートナーズでは、労務管理のご相談に実務上の観点からお答えしております。どうぞお気軽にご相談ください。

 
 


 
 

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