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労務管理|2020年4月1日施行、改正民法の身元保証契約に関する影響

2020/02/03

Q、改正民法の施行により、入社時に提出させている身元保証書のルールが変わると聞きました。どのような対応が必要でしょうか。


 

A、極度額(保証の限度額)を事前に定めたうえで、保証人となってもらう事が必要となります。

 

解説(公開日:2020/02/03 最終更新日:2020/03/27)

 

2020年4月1日の改正民法施行に伴い、従業員の身元保証人と結ぶ身元保証契約において、保証額の限度設定が必要となります。これまで、身元保証契約や身元保証書の内容に保証額の記載がなかった場合でも、身元保証人は連帯して責任を負わなければなりませんでしたが、今後は限度額が定められていない場合、身元保証人との保証契約は無効となってしまいますのでご注意ください。

今回は改めて、身元保証契約(身元保証書)とはどのようなものかをご案内いたします。

 

■ 身元保証契約とは

(1)身元保証契約の内容

従業員本人の故意や過失によって会社に損害をかけた場合には、身元保証人は連帯して賠償しなければならないという金銭的賠償に関する契約が主な内容です。退職後発覚した内容についても賠償責任を負う旨も明記しておいたほうが良いでしょう。また、労務管理においては、本人の指導役や疾病時等の身元引受的な意味を持たせる場合もありますが、その場合は身元保証人との間でその旨定める必要があります。

 

(2)身元保証となる対象者と身元保証人の要件

入社時に必ず身元保証人を定めなくてはならないものではありませんので、会社によって対応は異なります。金銭や商品を直接取扱う従業員に対してのみ定める会社もある様です。身元保証人は必ずしも親族である必要はなく、また人数も複数名を指定することも可能です。

 

(3)保証額

2020年4月1日以降に締結する契約(提出する身元保証書)から、定めた限度額の範囲で、身元保証人は賠償責任を負います。施行日前に締結した契約については、しばらくの間は限度額の定めがなければ当該契約内容は有効となります。

一方で、損害が発生した場合でも、必ずしも全額を身元保証人が賠償しなければならない訳ではありません。会社の監督上の過失、身元保証人となった理由、身元保証人としての注意度合い、従業員の任務や身上の変化等を総合判断し、身元保証人の賠償額(責任)が決定します(身元保証に関する法律第5条)。

 

(4)有効期間

身元保証人が保証責任を負う期間は、身元保証契約で期間を設定しなかった場合は3年、期間を設定した場合でも5年が最長となります。5年を超える定めをしても5年に引き下げられます。また、自動更新はできませんので、必要な場合は新たな契約の締結が必要です。

 

■ 契約上の注意点

身元保証人の責任度合いは、従業員の任務や身上の変化も考慮されたうえで決定されるため、入社時から職務が変わった場合など、会社内において入社当初と勤務の前提が異なる場合などは身元保証人に対して賠償責任を問えないこともあります。職務や責任の変更等があれば、身元保証人にその旨通知することも場合によっては必要です。

また、身元保証書の提出がないため、内定を取り消したい、解雇したいなどという相談もありますが、予め面接段階等で、入社の前提条件として提示をしていない限りは難しいです。

今後は身元保証人を定める場合でも、保証額次第では身元保証の引き受け手は慎重にならざるをえません。会社としてはできれば高額の保証額を設定しておきたいところですが、引き受け手がいなければ元も子もありません。極力リスク回避はしたいものの、現実的な運用ルールの設定が必要となってくることと思います。

 
 


 
 

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