GERBERA PARTNERSブログ

国際労務|就業規則や労務文書を英語に翻訳する際の注意点

2021/03/10

Q、当社では外国人従業員が増えてきました。就業規則を英語に翻訳してルールを浸透させたいですが、就業規則を英語に翻訳する際の注意点を教えてください。

A、まず、就業規則の内容が外国人向けになっているかどうかを確認してください(こちらは別のブログ記事で掲載中です)。次に、文章の逐条について、正確かつ一貫性をもって英語に翻訳する必要があります。英語を母国語とする従業員でも、そうでない従業員でも、外国人従業員が貴社の就業規則を理解し、それに従うことができるように、簡易な英語で掲載しておくことをお勧めします。

 

解説(公開日:2021/03/10  最終更新日:2021/03/23 )

   

就業規則を英語に翻訳する際には、ルールの内容が正しく伝えられているか(正確性)と、文章をなるべく簡単にするために一貫性をもって翻訳することをお勧めします。以下にその要点を記します。

 

【1】 英語翻訳の正確性

中小企業の多くが外国人を採用するようになってきていますが、ただでさえ言葉の壁に阻まれてコミュニケーションがとりにくい外国人に対して、会社のルールをあらかじめ伝えておくことはとても重要なことです。

 

職場の就業規則を英語で作成しておき、外国人従業員が会社ルールを明確に把握できる環境を用意しておく必要があります。簡単な英語翻訳はネットでもできますが、就業規則を簡易的な英語翻訳に任せてしまうと、長期的には紛争の原因となる「翻訳ミス」が発生するリスクがあるので要注意です。

 

電子翻訳技術はこの10年で飛躍的に進化を遂げ、多くの海外旅行者がGoogle翻訳などのサービスを利用して、限られた英語力でもコミュニケーションが可能となっています。しかし、貴社の就業規則はレストランのメニューやツアーガイドの情報ではありませんので、会社のルールは正確性をもって翻訳されていることが非常に重要といえます。

例えば、以下の就業規則第7条「試用期間」の条項を見てみましょう。

第7条(試用期間)

  1. 1.新たに採用した者については、採用の日から3ヶ月を試用期間とする。ただし、試用期間中の勤務状況や勤務成績等から引き続きそれらを観察することが適当と認められるとき、その他必要に応じて、期間を6ヶ月間まで延長することがある。
  2. 2.試用期間中又は試用期間の満了の際、引き続き従業員として勤務させることが不適当と認められる者については本採用を行わないことがある。この場合、採用後14日を超えて勤務した者には、少なくとも30日前に予告するか、30日分の平均賃金を支払って解雇する。
  3. 3.試用期間は勤務年数に通算する。

この就業規則第7条「試用期間」の条項を、英語自動翻訳ソフトで翻訳すると、間違っていたり、理解できない英文が出てきたりします。これを労務文書の翻訳経験者が翻訳すると、英文就業規則は以下のように翻訳されます。英語自動翻訳ソフトと並べて見てまいりましょう。

 

就業規則第7条第1項

新たに採用した者については、採用の日から3ヶ月を試用期間とする。ただし、試用期間中の勤務状況や勤務成績等から引き続きそれらを観察することが適当と認められるとき、その他必要に応じて、期間を6ヶ月間まで延長することがある。

(誤)英語自動翻訳ソフトによる翻訳

For newly hired employees, the trial period will be 3 months from the date of hiring. However, if it is deemed appropriate to continue observing them based on the work situation and work performance during the trial period, the period may be extended to 6 months if necessary.

 

(正)翻訳者による翻訳

New employees shall be put on probation for three months from the first day. However, when it is judged to be appropriate to keep observing new employees because of their working status or working record, etc. in the probation period, or in any other necessary case, the probation period may be extended to a maximum of six months in some cases.

 

就業規則第7条第2項

試用期間中又は試用期間の満了の際、引き続き従業員として勤務させることが不適当と認められる者については本採用を行わないことがある。この場合、採用後14日を超えて勤務した者には、少なくとも30日前に予告するか、30日分の平均賃金を支払って解雇する。

(誤)英語自動翻訳ソフトによる翻訳

This recruitment may not be carried out for those who are deemed inappropriate to continue working as employees during the trial period or at the end of the trial period. In this case, those who have worked more than 14 days after hiring will be dismissed at least 30 days in advance or paid the average wage for 30 days.

 

(正)翻訳者による翻訳

For new employees who are judged inappropriate during or after the probation period, the company may decide not to hire them as full-time employees. In such a case, the company shall provide at least 30 days advance notice or shall pay 30 days of the average wage to those employees who worked for more than 14 days.

 

就業規則第7条第3項

試用期間は勤務年数に通算する。

(誤)英語自動翻訳ソフトによる翻訳

The trial period is added to the number of years of service.

 

(正)翻訳者による翻訳

Probation period shall be recognized as a part of years of employment.

 

英語自動翻訳ソフトによる翻訳では限界があることがよくお分かりいただけたかと思います。

 

【2】 単語(用語)の一貫性

就業規則を英語に翻訳する際には、一貫した単語(用語)を使うことも重要です。日本語の就業規則のなかには、似たような意味ではあるけれども、異なる単語が使われていることがよくあります。

しかし英語の場合、意味は似ていても異なる単語を用いるというのは逆に混乱を招く恐れもありますので、文章全体が一貫性を保っていることを重視し、無理に日本語と完全に一致させようとしないことが大切です。

以下では、就業規則第21条と第23条の例をご紹介します

 

第21条(就業時間

就業時間は、1時間の休憩時間を除き1日実働8時間00分、1週40時間とし、始業及び終業の時刻は次のとおりとする。(以下略)

Article 21 (Working Hours)

Actual working hours excluding one hour rest period shall be eight hours a day, forty hours a week. Start and finish times are as follows.

 

第23条(事業場外労働従事者の労働時間

従業員が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務した場合において、労働時間を算出しがたい時は、所定労働時間の労働をしたものとみなす。

Article 23 (Working Hours of Outside the Workplace)

When employees work outside the workplace for all or part of their working hours and it is difficult to calculate actual working hours, such working hours shall be deemed to be equal to the prescribed working hours.

 

上記のように、日本語では「就業時間」と「労働時間」という異なる単語が、英語版では「Working Hours」として同じ単語で表現されています。多くの人は、これらの日本語の単語やフレーズをそれぞれに使い分けようとするでしょうが、その必要はありません。正確で一貫した英訳をすればいいのです。無理に言葉に合わせて別々の単語にする必要はありません。

 

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