GERBERA PARTNERSブログ

労働安全衛生|【労働安全衛生】産業医巡視は「2か月に1回」でよいのか?

2022/07/01

Q、産業医の先生がご多忙でスケジュールの調整が難しく、毎月の巡視が難しいと言われてしまいます。何とか対応する方法はないでしょうか?

A、社内の衛生管理者や衛生委員会と上手く連携することで、産業医巡視を「2か月に1回」にすることが可能です。

 

解説(公開日:2022/07/01)

 

まずは、産業医巡視に関する条文を確認します。

 

労働安全衛生規則第15条(産業医の定期巡視)

産業医は、少なくとも毎月一回(産業医が、事業者から、毎月一回以上、次に掲げる情報の提供を受けている場合であつて、事業者の同意を得ているときは、少なくとも二月に一回)作業場等を巡視し、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。

  1. 一 第十一条第一項の規定により衛生管理者が行う巡視の結果
  2. 二 前号に掲げるもののほか、労働者の健康障害を防止し、又は労働者の健康を保持するために必要な情報であつて、衛生委員会又は安全衛生委員会における調査審議を経て事業者が産業医に提供することとしたもの
 

次に、「毎月1回」を「2か月に1回」に変更する要件としての、必要な「情報提供」の内容を確認したいと思います。

 

ア:衛生管理者が少なくとも毎週1回行う作業場等の巡視の結果

【例】

  1. ・巡視を行った衛生管理者の氏名、巡視の日時、巡視した場所
  2. ・巡視を行った衛生管理者が「設備、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるとき」と判断した場合における有害事項及び講じた措置の内容
  3. ・その他労働衛生対策の推進にとって参考となる事項

産業医の巡視を減らすことは単なる手抜きではないので、衛生管理者の巡視をきちんと機能させて、日報などに記録化をしていくことで、より巡視の密度を上げていくという視点が必要です。産業医の来社頻度が減るところを、衛生管理者がフォローしていくことになります。

 

イ:アに掲げるもののほか、衛生委員会等の調査審議を経て事業者が産業医に提供することとしたもの

【例】

  1. ・健康への配慮が必要な労働者の氏名及びその労働時間数
  2. ・新規に使用される予定の化学物質・設備名、これらに係る作業条件・業務内容
  3. ・労働者の休業状況
 

ウ:休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1か月当たり80時間を超えた労働者の氏名及び当該労働者に係る超えた時間に関する情報

 

特に長時間労働者の状況は、面接指導とも関連してきますので、産業医に密に情報連携をした方がよろしいかと思います。

 

なお、「2か月に1回」への変更にあたっては、「事業者の同意を得る際は、産業医の意見に基づいて、衛生委員会等において調査審議を行ったうえで行うことが必要」とされていますので、会社が勝手に効率化として押し付けるのではなく、会社・産業医・衛生委員会の合意で進めるべきと考えます。

   
 

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