2022/06/03
A、このケースでは、6月10日支給の賞与より社会保険料は控除しないことになります。
賞与にかかる社会保険料は、厚生年金保険料、健康保険料、介護保険料です。社会保険の対象となる賞与額から1,000円未満の端数を切り捨てた金額にそれぞれの保険料率を掛けて保険料を計算し、その保険料を事業主と被保険者が折半して負担します。
退職者に賞与が支給される場合は、社会保険料を控除する場合と控除しない場合があります。以下どのような場合に控除して、どのような場合に控除しないのかを解説致します。
まず、基本的な考え方として
従業員が負担する社会保険料は、被保険者資格を取得した日の属する月から喪失した日(退職日の翌日)の属する月の前月まで発生します。
従業員が月の途中で退職した場合は、退職月の前月分までの社会保険料が発生し、月末に退職した場合は、退職月までの社会保険料が発生します。
上記の基本的な考え方をベースに6月10日に支給された賞与を例として下記の3パターンを紹介します。
→健康保険・厚生年金の資格喪失日が7月1日となるため、喪失日の属する前月(つまり6月)分までの保険料が発生します。よって6月10日支給の賞与より社会保険料を控除します。
→健康保険・厚生年金の資格喪失日が6月21日となるため、喪失日の属する前月(つまり5月)分までの保険料が発生します。よって6月分の保険料の対象とはならないので、6月10日支給の賞与より社会保険料を控除しません。
→健康保険・厚生年金の資格喪失日が6月6日となるため、喪失日の属する前月(つまり5月)分までの保険料が発生します。よって6月分の保険料の対象とはならないので、6月10日支給の賞与より社会保険料を控除しません。
いかがでしょうか、賞与を支給する月に退職される方がいる場合は、ケースによって処理が異なります。上記のように、社会保険料を控除する場合としない場合があるので注意して賞与計算を進める必要があります。
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