2023/05/19
A、源泉所得税は1円単位まで計算することになります。確定申告作成時の様に100円未満切り捨ての処理を行ってはいけません
「退職所得の受給に関する申告書」が提出されている場合、税額計算速算表により所得税及び復興特別所得税の額を算出することができます。
No.2260 所得税の税率[令和4年4月1日現在法令等] (国税庁)
(5,000,000 円×20%-427,500 円)×102.1%
=584,522.5 円⇒584,522 円《1円未満切捨て》
退職手当等に係る「課税退職所得金額」は、退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額の2分の1に相当する金額(1,000 円未満の端数切捨て)となります。
また、所得税と復興特別所得税を併せて源泉徴収する際の税額の端数処理については、計算の途中では端数処理を行わず、最後に1円未満の端数を切り捨てます。
なお、「退職所得の受給に関する申告書」が提出されていない場合には、退職手当等の収入金額に 20.42%を乗じた税額(1円未満の端数切捨て)を源泉徴収します。
3,565,300 円 × 20.42 %
= 728,034.26 円 ⇒ 728,034 円《1円未満切捨て》
法令をみていきます。
第百十九条 国税(自動車重量税、印紙税及び附帯税を除く。以下この条において同じ。)の確定金額に百円未満の端数があるとき、又はその全額が百円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てる。
2 政令で定める国税の確定金額については、前項の規定にかかわらず、その確定金額に一円未満の端数があるとき、又はその全額が一円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てる。
3 国税の確定金額を、二以上の納付の期限を定め、一定の金額に分割して納付することとされている場合において、その納付の期限ごとの分割金額に千円未満(前項に規定する国税に係るものについては、一円未満)の端数があるときは、その端数金額は、すべて最初の納付の期限に係る分割金額に合算するものとする。
4 附帯税の確定金額に百円未満の端数があるとき、又はその全額が千円未満(加算税に係るものについては、五千円未満)であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てる。
第四十条 法第百十八条第二項(課税標準の端数計算の特例)に規定する政令で定める国税は、所得税法第四編第一章から第五章まで(源泉徴収)(同法第百九十条(年末調整に係る源泉徴収義務)及び第百九十九条(退職所得に係る源泉徴収義務)(同法第二百一条第一項(退職所得の受給に関する申告書が提出された場合の徴収税額)の規定の適用を受ける場合に限る。)を除く。)の規定により徴収する所得税とする。
2 法第百十九条第二項(国税の確定金額の端数計算の特例)に規定する政令で定める国税は、次に掲げる国税とする。
国税通則法119①では、100円未満切り捨てと書いてますが、119②では政令で定める国税は~と記載があります。そこで国税通則法施行令40②をみていきます。ここでは結局前項に規定する国税と記載がありますので、40①をみると、退職所得の受給に関する申告書が提出された場合の徴収税額は除く、と記載があることから、結局100円未満切り捨てになるのかと勘違いしてしまいがちですが、注意点があります。以下をご覧ください。
第三十一条 源泉徴収に係る復興特別所得税(附帯税を除く。次項において同じ。)の課税標準の端数計算については、国税通則法第百十八条の規定は、適用しない。
2 源泉徴収に係る復興特別所得税の確定金額の端数計算及び当該復興特別所得税の基準所得税額である所得税(附帯税を除く。)の確定金額の端数計算については、国税通則法第百十九条の規定にかかわらず、これらの確定金額の合計額によって行い、当該合計額に一円未満の端数があるとき、又はその全額が一円未満であるときは、その端数金額又はその全額を切り捨てる。
3 第二十四条第三項から第七項までの規定は源泉徴収に係る復興特別所得税及び所得税の還付金等、附帯税等又は還付加算金の計算について、第二十五条の規定は還付金等又は還付加算金を未納の源泉徴収に係る復興特別所得税及び所得税に充当する場合について、それぞれ準用する。
復興財源法31②で、1円単位まできちんと計算すると書いてありますので、結局は先ほど示した様な計算事例となります。
この辺りは専門家でも間違えやすい事項なのでご注意ください。
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