GERBERA PARTNERSブログ

法人税|クラウドファンディングの税務上の取扱い

2018/09/12

Q、当社は、インターネット上で資金調達が行えるクラウドファンディングを検討予定です。クラウドファンディングに関する税務上の論点があれば教えて下さい。

クラウトファンディング   A、クラウドファンディングは、資金を集める目的や、拠出者へのリベートの有無等により「投資型」「購入型」「寄付型」の3つに区分されます。また、それぞれの場合に資金を受け取った側、支払った側で異なった税務上の取扱いがあるため注意が必要です。  

解説(公開日:2018/09/12  最終更新日:2018/11/23 )

 

昨今、企業や個人事業者の資金調達の一つとして、クラウドファンディングを利用する方が増加しています。クラウドファンディングは、群衆(crowd)と資金調達(funding)をあわせた造語で、インターネット上で自身のプロジェクトを表明し、それに対して資金提供を求めるといった行為を指します。

このクラウドファンディングは、企業や事業者の資金を集める目的や、拠出者に何らかの対価を提供するかといった点で、「投資型」「購入型」「寄付型」の3つに大きく区分できます。「投資型」は、資金を拠出して、配当や利息のような金銭的なリターンを求める形式で、金融投資とほぼ同様の処理を行うこととなります。

今回は、非投資型といわれる「購入型」「寄付型」のクラウドファンディングを行った場合の、資金を受け取った側、拠出した側のそれぞれの税務上の処理について整理してみたいと思います。

 

1.購入型の処理

購入型は、例えばある商品を開発するために資金を募って商品を完成させ、その完成品を資金拠出者にリベートとして提供するといった行為が一般的です。これらの行為は一連でみると商品の売買取引といえるため、商品売買に準じた経理処理を行います。

 

(1)資金を受け取った側の処理

受取った方が法人であれば益金(売上)として、個人事業者であれば収入(売上)として処理します。個人が事業を行っていない場合には、収入額を雑所得として確定申告する必要があります。なお、収入等として処理するタイミングは、入金時ではなく、商品等を資金拠出者に受渡し・提供等した時となります。

また、クラウドファンディングの運営者等に手数料を支払う場合は、その支払額を費用として計上することができます。

消費税についても、売買取引による処理となるため、事業に関するものであれば、課税売上高、課税仕入れ高を認識することになります。

 

(2)資金を拠出した側の処理

商品売買に準じた処理となるため、法人や個人事業者がその商品等を購入するために支払ったと考えられる場合は、損金(費用)として処理します。

また事業に関連しない個人が支払った場合、特段処理はありません。

 

2.寄付型の処理

寄付型は、受取った資金のリベートがない場合や、リベートがあっても対価としての価値がないに等しい場合のクラウドファンディングを指します。そのため、この場合は金銭贈与に準じた処理として取り扱います。

 

(1)資金を受け取った側の処理

個人が資金を受け取る場合、個人からの拠出による時は、基礎控除額110万円を超える部分に対して贈与税が、法人からの拠出による時は、一時所得による所得税が課せられます。なお、一時所得は、収入金額から、その収入を得るために支出した金額と50万円の特別控除額を控除した金額に対して課税されます。

法人が資金を受け取る場合は、入金額を受贈益として益金計上する必要があります。

 

(2)資金を拠出した側の処理

通常は拠出した金額が寄付である以上、特に経理処理は不要です。ただし、法人の場合、その他寄付金として一定額を損金算入できます。

また、寄付先が行政機関や一定の公益法人等である場合、寄付金控除の可能性も出てきますが、寄付金額の全額を控除できるとは限らないため注意が必要です。

 

3.おわりに

上記のように、特に購入型においては、資金を受け取った企業や個人事業者は通常の売買取引と同様に、収入額を益金(売上)として処理しなければなりません。事業と直接関係のない収入であるからといって、計上が漏れていた場合には加算税・延滞税等の対象となる場合もありますので、経理処理については十分ご注意ください。

また、購入型、寄付型の区分は、形式的には購入型であるものの、リターンの価値が受け取った金額に比べて著しく低い時は、寄付型とみなされる場合もあります。

経理処理等にお悩みの際は、弊社グループの税理士法人にお問い合わせくださいませ。

         

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