2022/07/04
A、経費として計上することはできません。
個人事業主も法人も同じ考え方となりますが、従業員がいない場合(法人の場合ですと親族のみも含)、福利厚生という概念が存在しなくなるからです。福利厚生とは役員・従業員等の慰安や医療、衛生などを目的として事業主が支出した費用をいいます。
今回の様なケースは福利厚生を行う側しか存在せず、受ける側は存在しない扱いとなります。従いまして、経費として計上することはできないのです。
もちろん、従業員がいれば無条件になんでも認められるものでもありません。全員がきちんと使える環境になっているか、そして実際誰が使っているのか、そういった背景も非常に重要となります。
さらに、誰でも使える環境下となっているものの、実際は特定の人だけが使っている、この様な場合は経費性が非常に弱くなりますが、これもケースバイケースとなりますので、一概には言えません。
そして言うまでもなく、スポーツ選手やスポーツに関する事業を行っている方(インストラクター等)がこれらの器具を購入した場合は、業務遂行上、必要不可欠なものであれば経費としての算入は可能と考えます。
次に、関連する事項としてスポーツクラブの入会金、年会費等について説明をしておきます。従業員がいない状況下では、基本的な考え方は先ほどとまったく同じ(経費性は乏しい)になりますので、従業員がいる場合の入会金や年会費等に触れておきます。
個人事業主のケースは、従業員それぞれがスポーツクラブと契約を結んでいるのなら、従業員それぞれ負担した部分については経費算入の余地がまだあるもの(但し、給与課税の恐れがあります)と考えますが、事業主の分については経費算入ができません。仮に事業主個人名義ではなく、屋号名で契約できた場合でも従業員が使用した分については経費になるでしょうが、事業主自身の利用分は経費とはなりません。
法人のケースは、必ず法人会員として契約することが大前提です。この時の入会金は資産計上となりますが、「有効期限があり+脱退に際し入会金が返還されない」場合は、繰延資産としての計上が認められます。また、年会費等については、使途に応じて交際費、福利厚生費用、給与に分かれます。
余談ですが、個人会員として契約したものを法人が負担(入会金や年会費等)すれば、その費用は原則給与としての扱いとなります。但し、年会費等については、使途に応じて交際費、福利厚生費用、給与に分かれるのは先ほどと同じです。
いろいろ説明してきましたが、実際のところは法人契約でされるケースが大半かと思います。その場合に注意すべきは、きちんとした「福利厚生として体裁」を整えていることが重要かと思われます。非常に判断がややこしいのが本ケースですので、不明な点は顧問税理士先生か最寄りの税務署へお尋ねください。
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