2023/05/23
A、当該個人事業主(とされている人)からの行政機関への申告が契機になり行政調査等で発覚することが多いようです。近年に入り、行政機関間での情報連携が行われるようになり、労働基準監督署(割増賃金や最低賃金等の労働法令違反指導、労働保険料加入指導と保険料徴収)と年金事務所(社会保険加入指導と保険料徴収)とが連携して指導が行われる態勢になっています。脱法分についての莫大な遡及支払いが発生する場合があります。
次のような通達が発出されています。
(基発0331第52号、年管発0331第5号、令和5年3月31日)
国民の価値観やライフスタイルが多様化している中で、いわゆるフリーランス等の請負・準委任契約を締結する就労形態が増加している。
一方、「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」(令和3年3月 2 6日策定。)では、フリーランス等であっても労働者に該当する場合があることが示されている。
社会保険行政においては、健康保険法及び厚生年金保険法の適用に当たっては、従前から、雇用保険被保険者情報の活用等、労働行政と連携した取組を進めてきたところであるが、今般、労働基準監督署において 労働基準法上の労働者であると判断した事案について、年金事務所に情報提供し、被用者保険の更なる適用促進をし、被用者保険の更なる適用促進を図ることとする。
また、当該情報については、労働保険料の適正徴収の観点から、都道府県労働局労働保険適用徴収部門にも提供することとするので、労働保険適用徴収部門においては、当該情報の提供があった場合には、調査の必要性や実施体制等を勘案の上、年金事務所からの合同調査依頼に応じるなど、適切に対応すること。
すなわち、労働基準監督署の調査で偽装請負が発覚しますと、当然のことながら割増賃金等の支払い指導が行われることになりますが、それだけでなく、年金事務所と労働局(労働保険適用徴収部門)に情報連携されて、社会保険や労働保険についても、遡及的に加入指導と徴収が開始されるとの状況になっています。
従いまして、偽装請負に類する脱法スキームについては、バレたら指導を受けて労働契約に変更すればよいという単純な問題ではなく、過年度の遡及徴収にも波及しますので、会社経営にも大きな影響が出ることになります。人件費圧縮目的で安易にこうした脱法スキームを行うことは、大きな経営リスクになりますのでご注意いただければと思います。
(IPO労務DD/労基署初動対応/労務コンプライアンス/就業規則整備/申請代行・給与計算・労務相談)
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