2019/03/08
A、今年の4月から始まる働き方改革に関連して、2020年より派遣労働者に対する同一労働同一賃金の制度が始まります。 これは派遣社員の不合理な待遇差を解消するための規定の整備であり、「派遣先均等・均衡方式」か「労使協定方式」のいずれかの方式を採用することが義務付けられました。 いずれの場合にも、派遣先は派遣元に対し、派遣先労働者の待遇に関する情報義務が課されます。派遣元は当該情報提供がない場合、労働者派遣契約を締結してはならない(=派遣してはならい)ことになります。
2020年4月より、派遣元は、法定の賃金決定方式を社内に導入することを義務図けられました。派遣法では2つの方式のうちいずれかを選択する旨、定められており、以下の通りご紹介します。
派遣元は、派遣先からの情報提供により、派遣先の通常の労働者の「職務内容」「職務内容・配置の変更範囲」「その他の事情」を考慮して、派遣労働者の処遇について、差別的取扱いや不合理な待遇差をつけることが禁止となります。
比較対象となる「派遣先の通常の労働者」とは、以下の優先順により選定されます。
この方式は、同一労働同一賃金の趣旨を直接的に反映している反面、派遣先が変わる毎に派遣労働者の処遇が変更となりえる、同等の仕事をする場合は賃金水準の高い派遣先に希望が集中するといった問題点もあります。
派遣元と労働者の過半数で組織する労働組合又は労働者の過半数代表者の間で、以下内容を含んだ賃金決定方法に関する労使協定を締結し、当該内容に則った運用を行います。
実務のしやすさからは、労使協定方式を選択する派遣元が増えるのではないかと予想されます。一方、労働者代表の選任方法に不備があった場合は協定自体が無効となりますので中が必要です(=派遣先均等・均衡方式が適用される)。
また、協定内容②、③については制度の準備が必要となります。
来年(2020年4月)からの改正とはいえ、1人でも労働者を派遣している場合には対応が必要となります。
労使協定方式を取る場合は、2020年6月30日までに提出する事業報告書から労使協定の添付が必要となります。賃金制度の見直しや新規作成をはじめ、対応事項は多々発生してきますので、計画的に準備を進めていきましょう。
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