今話題のリスキリング助成金とは？ | ガルベラ・パートナーズグループ

Ｑ、社員に生成AIをはじめとした最新技術の研修を受けさせたいと考えています。何か活用できる助成金はありますか。

Ａ、生成AI等、従来の貴社の事業を展開・ステップアップするための技術を身につけてもらう目的の研修であれば、人材開発支援助成金（事業展開等リスキリング支援コース）が活用できます。

 

解説（公開日：2024/03/29 　最終更新日：2024/03/27 ）

   

■ 人材開発支援助成金とは

厚生労働省の人材開発支援助成金は、会社が雇用する従業員に対して、職務に関連した専門的な知識及び技能を習得させるための職業訓練等を計画に沿って実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部が助成されます。

 

事業展開等リスキリング支援コースは、これからの新規事業のための教育訓練を受講させる場合や、従来の自社の事業からステップアップ・DX化またはGX化するための教育訓練を受講させた場合に、講座の費用及び教育時間中の賃金の一部が助成されます。

 

以下で主な要点を確認しましょう。

 

■ 事業展開等リスキリング支援コースの要件は？

この助成金は、雇用保険の加入者（被保険者）を対象としているのに加え、以下の要件があります。

 

➤OFF－JTにより実施される訓練であること

➤実訓練時間数が10時間以上※であること

➤次の（１）または（２）のいずれかに当てはまる訓練であること

（１）事業展開を行うにあたり、新たな分野で必要となる専門的な知識及び技能の習得をさせるための訓練

ただし、（１）の事業展開については、訓練開始日（定額制サービスによる訓練の場合は契約期間の初日）から起算して、３年以内に実施される予定のものまたは６か月以内に実施したもの

（２）事業展開は行わないが、事業主において企業内のデジタル・デジタルトランスフォーメーション（DX）化やグリーン・カーボンニュートラル化を進める場合にこれに関連する業務に従事させる上で必要となる専門的な知識及び技能の習得をさせるための訓練

 

※eラーニングによる訓練等及び通信制による訓練等については、標準学習時間が10時間以上または標準学習期間が１か月以上であること。

※定額制サービスによる訓練の場合は、各支給対象労働者の受講時間（標準学習時間）の合計時間数が、支給申請時において10時間以上であること。

 

■ 助成率・助成額は？

教育訓練にかかった費用が助成される経費助成（かかった費用に対する割合）と、従業員の教育訓練時間中の賃金が助成される賃金助成（時間数に応じた助成額）があります。

経費助成	賃金助成
75%（60％）	960円（480円）

 

■ 支給限度額は？

（１）　経費助成の限度額（一人一訓練あたり）は、以下の通りです

企業規模	10時間以上100時間未満	100時間以上200時間未満	200時間以上
中小企業	30万円	40万円	50万円
中小企業以外	20万円	25万円	30万円

※ eラーニング及び通信制による訓練等（標準学習時間が定められているものは除く。）は、一律「10時間以上100時間未満」の区分

※ 定額制サービスによる訓練の場合は、訓練時間数に応じた限度額はなし

（２）　賃金助成の限度額（一人一訓練あたり）は、1200時間となります。

（３）　教育訓練等の受講回数の制限は一人につき1年度（4月から翌3月）で3回までです。

 

■ 申請するにはどうすればよい？

先ずは、自社のなかで社内の職業能力開発推進者を選任し、社内の事業内職業能力開発計画を策定しておきます。それから、教育訓練の開始日の1か月前までに、「職業訓練実施計画届」（様式第1-1号）と必要な書類を各都道府県労働局へ提出する必要があります。

 

教育訓練が終了したら、終了した日の翌日から起算して2か月以内に、支給申請書（様式第５号）および必要書類を労働局へ提出します。

 

■ ぜひお気軽にご相談ください

人材開発支援助成金の申請で必要になる書類の作成方法や、事業内職業能力開発計画の書き方、申請時の留意点などあれば、お気軽にご相談ください。